【五輪】朝日新聞の記事を補足してみる

本日は以下の記事について何点か補足(ツッコミ?)をしてみます。
IOCは、2032年までの夏冬6大会における米国内での放映権について、米NBCと76億5千万ドル(約7780億円=当時)の契約を結ぶなど、収入の約7割をテレビ放映権料から得ている。
この内容は間違っていませんが、どうも違和感があります。「2032年大会までの6大会」とは2022北京大会からを指しており、肝心の東京大会が含まれていません。文字数の制限もありますし、金額の高さを強調したかったのかもしれませんが、読者が知りたいのはそこではないかと。

補足すると、米NBCの契約は2014~2020年の4大会で総額43.8億ドルです。均等割りすれば約11億ドルですが、もちろん冬季よりも夏季のほうが規模が大きいですし、また傾斜配分されている可能性も考慮する必要があります。

コロナ禍以前の時点でNBCは15億ドル程度の広告収入を確保していたので、東京大会単独ではその程度を見込んだほうがよいでしょう。

NBCだけでなく、欧州の放映権を持つディスカバリー(ユーロスポーツ)、そして日本の放映権を持つジャパンコンソーシアム(NHK+民放)も大きな勢力です。全世界を合算すれば、30~40億ドル程度の規模になると推定されます。
IOCは支出の約9割を、アスリート育成や世界各国の五輪委員会や競技団体への分配に使っているとしている。仮に大会が中止になり、放映権料を払い戻すことになれば、特にマイナー競技の団体は分配金が減って資金難に陥る可能性がある。
この部分、ほとんど反応されていません。IOCの収入には関心があっても、支出には関心が向けられていません。

非営利組織である建前、収益のほとんどは分配されるのです。また、その性質上貯蓄はあまりできないため、五輪が一大会飛べば財政難に直結します。ある程度は保険でカバーできる可能性がありますが、もし北京も中止に追い込まれればいよいよ厳しくなります。
東京との関係では、IOCは大会組織委員会に850億円の拠出金を支払っている。
この金額はすでに支払い済みのものではないかと思われます。リオ五輪の大会組織委員会には15.3億ドルが支払われていますので、それ以上が見込まれます。

「放映権はすべてIOCががっぽり」的なツイートも散見されますが、この流れがある以上は組織委員会も一蓮托生と言えます。

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