WOWOW「リーガ・ゲッツ!」から20年後のロスト。

昨日速報でお伝えした、WOWOWのラ・リーガ中継終了について、WOWOWのプロデューサーが「WOWOWとラ・リーガの20年間とこれから」と題したメッセージを公開しています。リンクが正しく貼れなかったので以下のURLをご参照ください。

https://note.wowow.co.jp/n/nab25953a2f94


 以前は海外サッカーに興味のない方たちにもラ・リーガの面白さを伝えること、つまり間口を広げるような発想を持っていたのですが、今は間口を広げることだけでなく、コアな人たちの満足度を上げていかなければならないと考えています。そういう方たちに「お、分かってるね、WOWOW」と感じていただけることで、改めてWOWOWへの評価も上がると考えています。


このあたり、確かにそうかもねと思う一方で、もう新規獲得には限界があるのかも・・・という苦しさも見えてきます。WOWOWというメディアはもはや新規獲得に適さないのかもしれません。その役割を今後担うのは、さらに安価なサービスなのか、それともYouTubeなどに流れる無料のハイライト動画なのか。

WOWOWは20年間ラ・リーガを放送してきましたが、その前はJ Sky Sports(現在のJ SPORTS)でした。サッカー中継において放映権の移動は宿命のようなもの。奪った者はいつか奪われるのです。


20年前の2003年、WOWOWは欧州CLの権利をスカパーに奪われました。その後、ラ・リーガの獲得に成功するわけですが、その際に当時の実況アナウンサーがアップしたコラムが物議を呼ぶことになります。それが「リーガ、ゲッツ!」なのですね。


その張本人である岩佐徹氏が自らブログで当時のことを振り返っているのですが、タフな交渉を担った2人のスタッフをねぎらい、WOWOW社内で喜びを分かち合う目的で書かれた、いわば「内輪ウケ」のコラムだったようです。その後謝罪と削除に追い込まれるのですが・・・あんまり反省はしてなさそうですね(笑)。

来季のラ・リーガ中継をどこが行うかは現時点では未定なので、発表あればまたお伝えしますが、このような失敗を繰り返さないことを切に願います。


さて、WOWOWが今回終了を発表したことによって、発表なしに放送がなくなった某メディアを揶揄する声もあがっているのですが、公式に発表できるということは、次の放映権の行方がすでに分かっており、かつWOWOWは獲得する見込みがないことを意味します。サブライセンスを獲得してでも放送しようなんて意志はないわけですね。

あきらめたらそこで試合終了とは言いますけど、正式発表していないあのメディアは、いまでもあきらめてないという言い方もできますし、実際あきらめてないんでしょう。


ちなみに、あきらめた事例は過去に自転車でありました。これ、いまにして思うと本当に見込みはなかったし、やる気もなくなったんだろうなぁ・・・と思います。

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1コメント

  • 1000 / 1000

  • てんてこまい

    2023.05.19 00:21

    約30年間、WOWOWに楽しませて貰ってきた世代としては、残念という他ありません。 NBA、ダイヤモンド陸上、ブレイキン、UFC、ラ・リーガ、・・・と続々とスポーツ番組が終了していきます。 「WOWOWというメディアはもはや新規獲得に適さないのかもしれません」という一文が心に刺さります・・・。そうか、もはやそういう時代なのかと・・・。 サブライセンスという選択肢も選ばなかったのは、たしかにそういう「意思表示」なのですね。 WOWOWは、株主陣営が強力で、減収なるも黒字経営が続いており、有利子負債は0、社員年収は、平均で1,000万円を超える優良企業なのですが、これがかえって企業として緊張感があまり感じられない理由なのかな、と個人的に思っています。 WOWOWにはコールセンター事業もあるのですが、規模が小さいので、実質放送事業1つしかセグメントがないのと同じようなもの。 もっと危機感をもって、時代に即した放送配信が出来るようになってほしいです。 今回のことでさすがに、「解約」ということも考えるようになりました・・・