【過大】女子W杯の放映権料は100億円超?

まだ決定に至ってない女子ワールドカップの放映権料についても、関心が高まるにつれていろんな数字が飛び交うようになりました。ネットでは150億円だの200億円だのという数字を流しているところもあるようですが、正直どこから出てきたのかよくわかりません。賞金総額(1.1億ドル)あたりと混同しているのでしょうか。


FRIDAYデジタルが出してきた記事では、昨年のカタール大会の放映権料(350億円)の3分の1に相当する116億円をFIFAが提示してきた・・・ということになっているのですが、この数字もまた根拠に乏しいところです。

この話の前提となる、カタール大会の350億円という数字がそもそもあやしいところです。出所は昨年5月の同じくFRIDAYデジタルに掲載された記事なのですが、他にも複数のメディアが異なる数字を報じています。スポニチは180億円、朝日新聞は200億円、そして日経新聞は200数十億円とばらばらなのですが、350億円は突出して大きな数字です。

サイバーエージェントの決算発表から推測すると、ABEMAが支払った金額は80~100億円程度ではないかと考えられ、NHK・フジテレビ・テレビ朝日と合計してもやはり200億円前後とみるべきではないかと思われます。

イギリスとフランスでは、最近になってEBU(欧州放送連合)を通じて契約が成立したのですが、その直前の報道によると、イギリスでは900~1,000万ドル、フランスでは1,000万ユーロ以下という数字が出ています。カタール大会との比較では4~5%程度とみられます。


日本はヨーロッパより時差が小さいことから、それよりも多少の上乗せはあるかもしれませんが、10~20億円といったところでしょうか。FRIDAYはあくまで提示額だと言うんでしょうけど、相当盛っているのではと疑います。


JFA(日本サッカー協会)が主催する日本代表戦については、相手のFIFAランクにもよりますが最高で2億円の放映権料と言われています。もっともこの記事もFRIDAYなんですが…。まぁ、これを基準とするならば、日本が決勝トーナメントまで勝ち進めばまったく手が届かない金額ではないと言えるのかもしれません。

なお、記事中にある、NHKがスポーツ放映権料の削減を進めている話は本当です。当ブログでも2年以上前に最初に取り上げました。これ以降、ゴルフ(PGA)やNFL、ブンデスリーガなど主に海外のスポーツ中継が削られていることはご存知かと思います。

民間に任せられるものは民間で、という原則はありつつ、公共放送の使命として公共的なコンテンツはやはりNHKが放送すべきであり、女子ワールドカップはそれに見合うコンテンツだと考えます。だからと言って、相手の言い値で買うわけにもいきません。引き続き、ぎりぎりまで交渉は続くものと考えられます。


決着の形としては、NHKが日本戦+αの権利を獲得し、全試合の中継を他のメディアが行う方向になるでしょう。ただ、無料のメディアはスポンサーがつかないでしょうし、有料のメディアも1か月間で得られる金額はたかが知れており、そう簡単には行きません。昨年のABEMAのように、赤字覚悟で知名度を上げたい企業が出てくるのでしょうか。


それでも決まらなければ、最終的には「FIFA+」での配信となります。まぁ、ここは焦らずに待つべきでしょう。一度こういう状況を日本も経験しておく必要があります。

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