【2023年第5位】女子ワールドカップの放映権販売が苦戦

今年7~8月に開催されたFIFA女子ワールドカップ。日本での放送がなかなか決まらなかったことは大きな話題になりました。決着したのは開幕1週間前で、NHKが日本戦と開幕戦・決勝戦を放送することに。他の試合はFIFA+での配信となりました。

放映権料については一部メディアが誇張した数字を報じて混乱しましたが、おそらく10億円程度ではないかという見解です。大きな数字のほうが当然インパクトも大きく、その結果として本来必要のない憎悪を招くことを反省すべきだと思います。

日本に限らず、いわゆる欧州5大国などでもなかなか放映権が決まりませんでした。時差の関係もあり、FIFA側と放送局側の提示する金額に乖離が生じました。


いわゆるジェンダー平等の旗の下で、女子サッカーの放映権料を大きく引き上げようとする意図がありました。もちろん賞金を始め待遇が男女平等に近づいていくことは理想ではあるのですが、理念だけでお金がついてくるわけではありません。

結果として、放映権料の総額は2億ドル程度となり、FIFAが目標とする3億ドルから不足が生じたと報じられています。その一方でスポンサー枠は完売し、女子の社会進出という文脈の中でスポンサーが集まりやすいことも示しています。

女子サッカーはまだ成長途上のスポーツであり、将来に向けた投資も始まっています。DAZNが女子サッカーの強化に力を入れていることは、最近の配信ラインアップからも分かるかと思います。夏には競合メディアとも言えるata footballを買収しました。

また、アメリカのNWSLも次期放映権の販売で大幅な増額を勝ち取っています。男子の放映権料が行き着くところまで達したいま、次の投資先としてみられている部分もあるでしょう。

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