J SPORTS、自転車放送予定を発表も旧GCNのレースなし。
J SPORTSは2024年のサイクルロードレースの放送予定を発表しました。例年通り、オーストラリアで開催されるツアー・ダウンアンダー(1月16日開幕)が初戦となります。
カレンダーを見る限り、昨年とほとんど変化がないものと思われます。ファンが期待しているのは、昨年サービスを終了したGCN+が配信していたレース、とりわけロンド・ファン・フラーンデレンを代表とするフランダース・クラシック主催のレースだと思われますが、これらの追加はありません。
GCN+の終了の流れを改めて追いかけると、かなり急な決定だったように思われます。代替サービスとしてはdiscovery+、Max、ユーロスポーツがあげられますが、いずれも日本では展開されていないだけに、取り残された感が大きくなっています。
それゆえ、いくらJ SPORTSでもすぐに交渉がまとまることはないでしょうから、この時点でなかったからと言って悲観するものでもありません。今後追加される可能性もあるでしょうけど、かと言って楽観するものでもありません。
J SPORTSは冬盛んに開催されるシクロクロスの中継を充実させました。これらはロードレースのシーズンオフに加入者を引き止める効果を持っていると考えられますが、春に開催されるロンド~などのレースが追加されたところで、J SPORTSの加入者数が劇的に増加するわけではありませんから、高いコストをかけてまで追加する必要もないのです。
ちなみにシクロクロスワールドカップの運営はフランダース・クラシックがやっていたりするのですが、放映権の代理店はIMGです。その一方で、ロンド~などの代理店はinfrontなので、あくまで別々に交渉しなければいけません。
infrontは筆者の認識だと交渉が厄介な代理店なのですが、J SPORTSとしてはFISの大会などで接点がありますので、交渉はできるでしょう。ただ、GCN+が撤退したからと言ってお情けで安く提供してくれるようなことはまず考えられません。
GCN+の親会社にあたる、WBDが放映権を管理していたレースについても可能性はあるかと思います。ジロ・デ・イタリアなどはWBDの管理であり、J SPORTSがサブライセンスを購入していると考えられるからです。また、エンタメ領域でWBDとパイプがあるU-NEXTあたりも候補にあがるかと思われます。
GCN+が日本でどれだけの契約者を集めていたか、WBD側はデータを持っているはずです。まぁ、相当少ないであろうことが推定されますが、それゆえに放映権料もさほど高くなることはないでしょう。
もちろん、人気がないところから新たな顧客層を掘り起こしていく必要があるわけで、J SPORTSを見ている熱心なファンを取り込むだけでは足りません。GCN+も、そしてかつてのDAZNもそれができなかったわけです。このままだと、残念ながらマニアしか見ないスポーツの域にとどまることになるでしょう。
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