AFCとDAZNの放映権契約時系列まとめ

当ブログの過去の記事を時系列でまとめました。参考になれば幸いです。


2018年6月13日: AFCがDDMC Fortisと代理店契約

AFCが、DDMC Fortisと代理店契約を結ぶ。いわゆるMENA(中東・北アフリカ)を除く全世界の放映権を取り扱う。DDMC Fortisは中国のWuhan DDMC Culture & Sports(以下DDMC)とスイスのFortisの合弁会社で、DDMCが70%、Fortisが30%を出資。

2021~28年の8年契約で、金額は20億ドル以上と推定される。(メディアによって数字は異なる、24億ドルとの報道も)

この契約は入札によって決定された。競合相手は電通・ラガールデール(現Sportfive)・Perform(現DAZN)の連合体とされている。

2018年6月29日: FMA設立

DDMC Fortisが香港に拠点を設立。名称をFMA(Football Marketing Asia)に改めた。

2020年3月29日: テレ朝がAFCの放映権を手放すとの噂

日刊サイゾーが、テレビ朝日が保有しているAFCの放映権を手放すと報じる。この当時はほとんど話題になっていなかったが、結果としては大きなスクープだった。

金額は「200億円とも言われる」と書かれているが、他のメディアによると4年契約で180億円程度と推定されている。

2020年7月1日: テレ朝「やべっちFC」終了と報道

東京スポーツが、テレビ朝日のサッカー番組「やべっちFC」が終了すると報道。

翌2日のスポニチもこれに追随。関係者の話として「テレビ朝日が海外サッカーの放映権を失ったことが原因」と記している。この時点で、テレ朝がAFCとの契約を維持できる見込みはなくなったと言える。

なお、「やべっちFC」はその後DAZNで「やべっちスタジアム」として事実上の復活を果たした。

2020年8月31日: FMAがAFCに減額交渉と報道

SportBusinessは、FMAがAFCと契約条件の再交渉を行っていると報じた。

コロナ禍が大きな理由ではあるものの、それ以前から特にアジア圏でのセールスが低調だったとされる。

また、この時期にFMAから複数の幹部が離脱したことも明らかになった。

2021年4月22日: AFCが電通と契約

AFCは、日本における放映権などの権利について電通と契約したことを発表。

FMAとの交渉が難航し、日本での放映権契約がまとまらない中、AFCは日本向けの権利をFMAから切り離すことを決断した。

なお、FMAの要求額について、「8年総額2,000億円」という説も流れたが、FMAの契約額である20億ドル(以上)と混同されたように思われる。

2021年6月18日: DAZNがACLの放映権獲得

DAZNは、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の放映権を獲得したと発表。2021~28年の8年契約。

なお、ACLは秋春制に移行したため、実質2028-29シーズンまでの契約となる。

2021年8月19日: DAZNがW杯予選等の放映権獲得

DAZNは、ワールドカップアジア最終予選やアジアカップ等のAFC主催大会の放映権を獲得したと発表。2021~28年の8年契約。

テレビ朝日はアジア最終予選の日本のホームゲームをサブライセンス契約で放送することとなり、アウェーはDAZN独占となった。

2023アジアカップについても、DAZNがグループステージの2試合と決勝トーナメント1回戦を独占することがこの時点で公表されている。

2022年2月3日: JFA田嶋会長、豪州戦の放送へ動くも失敗

日本サッカー協会(JFA)の田嶋会長は、3月24日に開催されるワールドカップ最終予選・オーストラリア戦(アウェー)について、地上波での放送に向けてDAZNと交渉する意向を示した。

DAZNはこの交渉を「既存の契約者に対して失礼」との理由で断り、予定通り独占配信を行った。当時のDAZNにとって過去最高のライブ視聴者数を記録している。

2022年2月11日: AFCの放映権料が60%下落との報道

SportBusinessの報道によると、AFCの放映権料は前回サイクルから60%下落したとのこと。

テレビ朝日の前回サイクルの放映権は4年180億円と推定されているため、ここから計算するとDAZNの放映権料は4年72億円(8年で144億円)となる。(ただし、実際には円安のためもう少し高いと考えられる)


The fee increase the Premier League has secured in Japan is significant and stands in stark contrast to the recent fortunes of other major rights-holders in the market. The value of Asian Football Confederation rights dropped by 60 per cent in the current cycle, while the value of Uefa club competition rights has dropped by 75 per cent.

2022年5月14日: 中国がアジアカップの開催権を返上

中国は、2023年6月に開催を予定していたアジアカップの開催権を返上した。

これにより、FMAの親会社であるDDMCは損失の可能性を明らかにしている。もともと中国でのサッカー人気をあてにしてAFCと高額の契約を結んだ側面があり、目論見が大きく外れたことになる。

その後、アジアカップは2024年1月にカタールで開催されることが決定した。

2022年11月8日: FMA兄弟会社が中国でAFC放映権を喪失

AFCが、中国の放映権を保有するSuper Sports Media(以下SSM)との契約を打ち切ったと報じられた。理由は放映権料の不払い。

SSMは6月にもラ・リーガの放映権を同じく不払いによって喪失している。SSMの親会社はFMAと同じDDMCであり、いわば兄弟会社にあたる。兄弟会社が起こした不義理はFMAのメンツを潰す形で、いよいよ窮地に追い込まれたと考えられる。

なお、中国ではSSMに代わってiQIYI SportsがAFCの放映権を獲得した。

2023年9月15日: AFCがFMAとの契約を打ち切り

AFCは、FMAと結んでいた契約の打ち切りを発表した。当初の8年契約は3年足らずで終了に追い込まれた。

その後、FMAのスタッフを引き継いだと思われるAFG(Asia Football Group)が設立。FMAに代わって2028年まで放映権販売やスポンサーシップなどのマーケティング活動を行うこととなった。

以上


【お知らせ】現在コメント機能が使えない状態です。感想・意見・誤情報のツッコミ等ございましたら、筆者のX(旧Twitter)までお願い致します。 @flower_highway

0コメント

  • 1000 / 1000