【速報】Jスポにフランドル復活。8年ぶり。

J SPORTSは、3月31日に開催される自転車ロードレースの「ロンド・ファン・フラーンデレン」(ツール・ド・フランドル)を生中継すると発表しました。

「モニュメント」と称される5大レースのうち、J SPORTSはこのレースを唯一放送できていませんでした。2016年までは放送していたのですが、2017～19年はDAZN、2020～23年はGCN+が放映権を獲得していたため、8年ぶりの復活となります。

なお、DAZN初年度の2017年には生中継が行われずにサイクルロードレースファンから総スカンを食らう事態となったわけですが、あれからもう7年も経つのですか・・・。いまだに恨み節を聞きますので、もう永遠に戻ってくることはなさそうです。

実はこの事件、筆者が放映権というものに興味を持ち、このブログを立ち上げるきっかけのひとつとなった出来事です。あれはひどかったというのは変わりませんが、その一方で従来日本で視聴できなかったレースが多く見られることになった意義もあったものと思います。それがほぼリセットされてしまった現状がさみしいのです。

ロンド・ファン・フラーンデレンは、ベルギーのフランダース・クラシックが主催者であり、海外では長年ユーロスポーツが放送を続けています。後から調べて分かったことではありますが、当時のDAZNはユーロスポーツが持っていた権利をまとめて買っていたと考えられます。

フランダース・クラシックが主催しているレースはこれだけはなく、直近では「オムロープ・ヘット・ニウスブラット」が開催されています。今回の発表のタイミングを鑑みると、まとめて権利を購入したのではなく、ロンドのみのスポット購入であると推定されます。DAZNでも2年目以降は中継されていたレースですから、これらもぜひ中継してほしいところですが、そう簡単には話が進みません。

DAZNが撤退し、2020年からは入れ替わるように「GCN Race Pass」(後にGCN+と改名)が中継するようになります。GCNはユーロスポーツと同じディスカバリー(現在のWBD)傘下の会社であり、権利元の会社が直々に出てきたということになります。

2021年に、フランダース・クラシックはinfrontと8年間の代理店契約を結びました。これによりinfrontとディスカバリーの交渉が長引き、レース開催直前になってようやく中継が決まったという出来事があります。この時の契約は4年間と報じられていますので、つまり今年までということになります。

GCN+も昨年で撤退。引き続きdiscovery+などで中継されることになりましたが、日本向けの権利は宙に浮いていました。先の契約を踏まえると今年まで権利はWBDにあり、J SPORTSはWBDからサブライセンスを受けた形となります。

すでにジロ・デ・イタリア等の権利もWBDから調達しているので両社のつながりもあり、また撤退した以上、道義的にも高値で売りつけることはなさそうです。ただし、今年までの契約ですから来年以降は改めてinfrontと交渉することとなり、こちらは一筋縄ではいかないと考えられます。

もうひとつのシナリオとしては、日本向けの権利は今年からinfrontに戻っているというものですが、むしろこちらであって欲しい気もします。こっちであれば、2028年までは放送が続くことが期待できますから。

もうひとつ細かい情報ですが、GCN+でコメンタリーを務められていた小俣雄風太さんが、3月2日にJ SPORTSで中継される「ストラーデ・ビアンケ」の実況を担当されるとのこと。冬のシクロクロスに続き、ロードレースでも登板ということでおめでとうございます。

GCN+撤退で空いた穴は、ところどころで埋まりつつありますが、まだまだ大きいのが現状です。J SPORTS1社にすべて負わせるのも酷でしょう。他に興味を持ってくれる媒体が現れることを切に願います。