電通保有のDAZN株、実質無価値に?

※本日は4月1日ですが、本当のニュースです。


先日電通グループが発表した2023年12月期の有価証券報告書によると、電通グルーブが保有しているDAZNの株式について、時価に相当する公正価値が「-百万円」と表記されています。すなわち、評価不能になったわけです。すでに手放している可能性もあります。

2021年の年末、DAZNは親会社のAccess Industriesから総額43億ドルの資金調達を行い、累積債務を一掃しました。この際に新株が発行され、電通の持ち株比率は下がったものと考えられます。


前回の有価証券報告書(2022年12月期)では、DAZN株の評価を前年の370億円から65億円へと大幅な下方修正。これにともない、323億円の特別損失を計上しています。

DAZNは2022年にもAccess社から7.3億ドル、そして2023年には2.4億ドルを調達しています。さらに、外部から10億ドル程度の計画していると報じられており、電通の持ち株比率はどんどん下がっています。

この数字は毎年チェックしているのですが、2018年末の約478億円がピークでした。つまり、電通は400億円以上をDAZNに投資していたわけですが、それが無価値になったことになります。そして、その価値が回復することはもうないでしょう。

電通にとっては残念な結果なのですが、かと言って放映権の市場では引き続きDAZNは大きなプレイヤーであり、電通との取引はまだまだ続きます。日本市場においては、電通の影響力は引き続き残ることでしょう。


今年のお正月に紹介した書籍『異端のチェアマン 村井満、Jリーグ再建の真実』では、もしDAZNが経営破綻した場合のリスクに備えて、Jリーグが債務保証を取り付けたという話が載っています。誰が保証するのかは機密情報とのことで記されていませんが、普通に考えればAccess社か電通です。


もし電通がDAZN株を手放したとすれば、DAZNの債務に責任を負う必要性がなくなるわけですが・・・さて。DAZNの破綻か、そこまで行かなくとも日本市場からの撤退というシナリオは充分考えられるだけに、リスクヘッジについてもきちんと整理されていることを願います。

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