プレミア落札のクーパン、会員特典の拡充を公約。

プレミアリーグの次期放映権(2025-26シーズン以降)を獲得したとされる韓国のクーパンですが、先日第1四半期の決算を発表。売上高は9.45兆ウォン(約1.06兆円)で前年度から28%増加しましたが、営業利益は531億ウォン(約60億ウォン)で61%の減益。純利益は318億ウォン(約36億ウォン)の赤字になりました。


クーパン創業者でCEOのKim Beomseok(キム・ボムソク)氏によると、中国企業が韓国のEコマース市場に参入したことで競争が激化しているとのこと。その対策として、会員向けの特典を充実させ、1年で5.5兆ウォン(約6,200億円)を投資する計画だとしています。

プレミアリーグの放映権に関する正式発表はまだありませんが、交渉中であることは認めており、細部の調整後、契約を締結したうえで発表となりそうです。第一報では6年契約で、年間700億ウォン(約79億円)と報じられていますが、この額にFAカップの分も含まれているかはまだ明らかになっていません。


なお、FAカップの放映権については今シーズンが区切りとなるため、来シーズン(2024-25シーズン)から7年間になるものと推定されます。こちらも正式発表待ちです。

クーパンの台頭によって韓国にはAmazonが進出できていません。その一方でアリババ(Ali Express)や、最近日本でも名前をよく聞くTemuといった中国企業が進出しており、Eコマース市場の競争が激化しています。

その対策として「Rocket WOW」と呼ばれる、Amazonだとプライムに相当する会員向けの施策を充実させる必要があり、動画配信サービスのクーパンプレイ(Coupang Play)も重要性を増しています。最初に書いた通り、1年で5.5兆ウォンを投資する計画とのことですから、プレミアの放映権料とされる700億ウォンを投じる価値は充分あるのでしょう。


ただ、単に投資するわけではなく、今年に入ってRocket Wowの会費が月額4,900ウォンから7,890ウォン(約900円)に値上げされたとのこと。今後、クーパンプレイを別料金にする可能性も指摘されています。このあたりは抜かりないですね。

韓国でプレミアリーグの放映権料が増加したのは、クーパンのEコマース市場における競争激化に加え、スポーツ放映権市場でもSPOTVやTVINGなどの競争が激化したことにあります。翻って日本をみると、すでに消耗戦の状態であり伸びしろは感じられません。急激な円安も重なり、現在よりも放映権料が下がる可能性が高いと言えます。


当ブログでは5月3日にSportBusinessが報じた記事をもとに第一報をお伝えしましたが、韓国国内では4月28日の時点でクーパンの落札が報じられていました。言語の壁もあるとはいえ、少々アンテナが甘かったかな・・・と反省しておりますが、入札の締め切りは4月22日だったことを踏まえると、おそらく最初の入札で即決したということでしょう。

プレミアリーグが具体的にどうやって入札を実施したのかは定かではありませんが、他の実例を参照すると、リーグ側の希望額を満たす入札者がいれば1回で決着し、いなければ2回目以降の入札を実施。それでも決まらなければ個別交渉に移る・・・といったやり方が一般的です。


日本の結果がまだ報じられていないということは、1回目の入札で決着していない可能性が高いです。どこが落札するにせよ、今後長期化することは充分考えられますし、今回セットで販売したものの、FAカップのほうだけが先に決まるといった展開も想定されます。

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