EURO2024、放送局リスト公表も日本なし。

ここ数日、当ブログのアクセス数が伸びているのですが、UEFAがEURO2024本大会の放送局リストを発表し、そこに日本の記載がないことが主な要因になっているようです。開幕は6月15日(現地時間)なので、あと3週間に迫りました。

EURO本大会の放映権については昨年から何度か記事にしていますが、ここまで決まらないというのはなかなかの非常事態です。昨年はクラブワールドカップがFIFA+での配信となり、アウェーのシリア戦に至っては放送・配信が消えるという事態に至ってます。しかし、女子ワールドカップは直前になってNHKでの放送が決まりました。まだあきらめるのは早いでしょう。


言うまでもなく、こうなっているのは放映権料の高騰という世界的な要因と、円安という日本特有の要因が重なっているためです。EUROの放映権は言わば一品モノであり、代わりはありません。そして、売る側も買う側も1対1の交渉ですから、ギリギリまで粘って交渉が続くことはありますし、結果として決裂することもあり得るのです。逆に言えば、これまで日本ではこういう事態があまり起こらなかったとも言えます。

そして、放映権料は国によって異なりますので、「どこどこの国では放送されるのに日本では~」といった比較には意味がありません。筆者も実務に携わった経験はありませんので、具体的にどのようなプロセスで価格が決まるかは存じ上げませんが、EURO本大会については昨年入札が行われ、不成立に終わったものと考えられます。その後は、UEFAの代理店と日本の放送局による交渉となります。


EURO予選はDAZNが配信していますが、DAZNが購入したのはワールドカップ予選・EURO予選・ネーションズリーグがセットになったパッケージであり、本大会とは関係ありません。なお、一部の国際親善試合も含まれているため、DAZNはEUROの前哨戦となる試合を多数配信する予定となっています。


前回まで本大会を放送してきたWOWOWですが、欧州CL/ELの放映権はなんとか死守した一方、そこで予算を使い果たしてしまった印象があります。2か月程度で終わるEURO本大会よりも、シーズンを通じて開催されるCL/ELのほうが優先なのは仕方ないところです。

結局のところ、契約が成立するためにはUEFAか放送局のどちらかが折れる必要があり、直前での決着も充分あり得る状況となっています。最悪の場合、どことも交渉が成立しない可能性もあります。その場合は、かつてDAZNがコロナ禍によって欧州CL/ELの放映権を中途解約したときのように「UEFA.tv」で配信される可能性がありますが、これは最後の救済措置のようなものであり、一度発動されるとその先はありません。


コパ・アメリカの前回大会はABEMAがPPVを含めて配信しました。短期で投資を回収するためにはPPVも有力な選択肢となります。その場合、PPVができるシステムを持った配信サービスが獲得することになるでしょう。


そういえば、コパ・アメリカもまだ権利が確定してませんでした。EUROが決まればコパ・アメリカも連鎖的に決まるんじゃないかと勝手に予想しています。以前の記事にも書いた通り、コパ・アメリカの代理店は電通なので、何か策があるんじゃないかと期待しているのですが・・・さて。

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