ディズニーとDirecTV、2週間ぶりに再契約。

アメリカの衛星放送大手・ディレクTVとディズニーの契約が8月末で切れた問題について、9月14日に再契約が結ばれました。これにより2週間にわたって続いた放送停止が終了しています。

残念ながらNFLの開幕週には間に合わず。また、9月10日に開催された大統領選挙の討論会(ABCで放送)にも影響が生じたとのことです。NFLは第2週のMonday Night Football(ESPNで放送)から再開されます。

再契約において、ディレクTV側はチャンネルのパッケージをより柔軟にして提供することが認められ、またディズニー側は若干の値上げを勝ち取ったとのことです。また、ディズニーが提供するストリーミングサービス(ESPN+、disney+、hulu)をディレクTVがセット販売することも盛り込まれています。


昨年9月、同様の問題が大手CATVサービスのSpectrumで勃発し、こちらも11日間の空白が生じました。当時Spectrumが合意した条件と、今回ディレクTVが合意した条件はかなり類似しています。


昨年の記事では以下のことを書きました。ESPNの直販については1年たってかなり現実味を増しています。本来ならばすでに開始しているはずだった「Venu Sports」は差し止められていますが、来年にもディズニーが単独でESPNを直販する計画が浮上しています。


Spectrumが警戒しているのは、ディズニーがCATVを飛ばしてESPNなどを直販することですが、いったんそれを食い止めることはできました。しかし、今後値上げは避けられない状況です。

ディレクTV側としては、ESPNを切り離したプランを提供するというのは必須条件で、今回それを認めさせた形となります。また、ESPNの直販が実現された際には、ディレクTVを通じてESPNを契約しているユーザーに追加料金なしで提供することも盛り込まれています。


スポーツコンテンツはユーザーの囲い込みに重要な役割を果たしており、それを頭越しで視聴者に直販するというのは到底受け入れられません。その一方で、視聴者側もスポーツコンテンツの高い放映権料をセットで負担させられるのは耐えられないのです。


今後はスポーツが好きな人も、スポーツに興味がない人もそれぞれに合ったプランを契約できる自由が増えることになりますが、その一方でスポーツに興味がない人たちが支払っていた料金が高い放映権料を支えてきた側面もあります。


もちろん、反対にスポーツファンが払っている高い料金が他のコンテンツを支えていると言うこともできるのですが、こういった持ちつ持たれつの構図が崩れたとき、果たしてスポーツ全体にとって得なのか損なのかはよく観察しておく必要があるでしょう。

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