ディズニー、DirecTVとの交渉決裂で放送停止。

アメリカの衛星放送大手・DirecTVとディズニーの契約が8月末で切れ、ESPNなどディズニーが提供するチャンネルの放送が停止されたとのことです。DirecTVは、約1,100万人の契約者に対して20ドルを返金すると発表しています。

こういった話はアメリカでは結構頻繁に起こっているので、もはや全然驚くレベルではないのですが、視聴者としては突然放送が停止されてしまうのですから大変です。この時期はテニスの全米オープンが開催されており、試合の途中で停止したとのこと。主催者も遺憾だとする声明を出しています。

昨年には大手CATVのSpectrumが同様にディズニーとの契約が切れ、放送停止に陥りました。こちらは9月11日に改めて契約が結ばれ、放送が復活しています。

また、2021年12月にはYouTubeTVも契約切れとなっています。こちらは2日間で再契約が結ばれました。エンタメの巨人・ディズニーとインターネットの巨人・Googleはこんなところでも衝突しています。

契約が切れた理由はもちろん条件闘争なのですが、ディズニーは映画・ドラマ・アニメなどさまざまなジャンルを抱える中、やはりESPNのスポーツ事業に割高感が生じているという現状があります。


本来はすでにサービスが開始されているはずだった「Venu Sports」はFuboTVによる仮処分が認められて差し止めとなっていますが、Venu Sportsによってディズニーがスポーツコンテンツを切り離し、かつCATV等を通さず視聴者に直接販売する姿勢を示したことが、さらなる反発を招く形となりました。ある意味パンドラの箱を開けたことになります。

DirecTV側はESPNを分離したプランや、チャンネル数を絞った安価なプランの提供を要求しているとされます。スポーツにあまり関心のない視聴者が、割高なスポーツコンテンツの料金を支払わされている構図は明らかで、今後スポーツは他のエンタメコンテンツとの激しい競争にさらされることになります。


それによって健全な価格競争が起きるのであれば歓迎ですが、副作用も大きそうです。いくつかのスポーツは規模を縮小せざるを得なくなり、またプラットフォーム側も淘汰が進むことでしょう。

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