MLB、ローカル放映権ビジネスの終了を画策?

経営破綻したBally Sports(現在はFanDuel Sports Network)の再建計画は、MLBが反対意見を取り下げたこともあって先日承認されました。なぜMLBが取り下げたのか、その理由は不明確ですが、先日開催されたMLBのオーナー会議でコミッショナーのロブ・マンフレッド氏が注目すべき発言をしたと報じられています。


簡単に言うと、ローカルの放映権をMLBの管理にしようというものです。Bally Sportsの破綻にともない、今シーズンは3球団、来シーズンは少なくとも6球団がMLBによる管理に移行していますが、これを全球団に拡大する計画です。


MLBはローカルの地上波局やCATV局に対して放映権を販売するほか、従来ブロックをかけていた「MLB.TV」でもストリーミングで視聴できるようになります。

現在、MLBが結んでいる全米向けの放映権契約は、FOX・ESPN・(WBD傘下の)ターナースポーツ・Appleの4社ですが、いずれも2022年からの7年契約であり、2028年に満了を迎えることになります。また、旧Bally Sportsが結んでいるローカル放映権の契約も2028年までにすべて満了するとのことで、計画が実現するならば早くて2029年からとなります。


ローカルの放映権については、NFLが統括団体による一括管理、MLB・NBA・NHLが各球団による個別管理と分かれています。NFLはFOX・CBSの2社にまとめて販売しています。


MLSはかつては個別管理でしたが、2023年から一括管理に移行。全試合の権利をまとめてAppleに販売しました。どこに住んでいてもAppleから全試合が視聴できるため、ローカルという概念自体が消滅しています。


あまりにも壮大な計画です。MLBが一括管理に移行する相当なハードルを越える必要があります。全球団のオーナーと、MLB選手会の承認が必要です。多くの球団が地元放送局(RSN)に出資しており、利益の分配をめぐって議論が紛糾することは確実です。もちろん、全米向けの次期放映権に興味を示している企業ともタフな交渉が必要になってきます。

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