豪進出を狙うNFL、DAZNの10秒スキップに貢献。

NFLがオーストラリアで試合を開催する計画を立てていると報じられています。早ければ2026年にレギュラーシーズンの試合を行い、将来的にはオールスターに相当するプロボウルの開催を視野に入れているとのこと。


オーストラリアはラグビーリーグ、ラグビーユニオン、そしてオーストラリアンフットボールとさまざまなフットボールに人気がある激戦区。人口も少なく、英語圏のアドバンテージはあっても将来性が高い市場とは考えにくいです。それでもあえて開拓する意味はなにか。


ひとつは、2028年のロサンゼルス五輪でフラッグフットボールが開催されることがあげられます。2032年のブリスベーン五輪でも引き続き開催されるためにアピールが必要だというわけです。そういえばプロボウルは現在フラッグフットボールで開催されてますね。

もうひとつの理由が、優秀な人材のスカウトです。とくに体格に優れたポリネシア系の選手はアメフトに向いており、他のフットボールで活躍した選手を引き入れたいようです。


その成功例が、ラグビーリーグから転向したイーグルスのマイラタ選手です。ラグビーリーグで活躍していましたが、体格が大きくなりすぎてNFLの挑戦を決意。アメフト未経験ながらトライアウトを勝ち抜き、見事ドラフト指名を得ています。

話は変わりまして、NFLの国際戦略に絡んでくるのが、昨シーズンから「NFL Game Pass」を獲得したDAZNの存在です。開始当初はサービスの移行によりユーザーが慣れず、また技術面でも未熟さが目立ったことから多くのクレームを受けていたそうです。


最初の1年をサービスの改善に努めた結果、加入者数が30%増加したとのこと。従来のNFL Game Passよりも配信障害が減ったとしています。DAZNとの統合により、新たなファンの開拓もできたようです。


また、NFLとの協力で、新たな改善案のテストを迅速に行える環境ができたとしています。その成果のひとつとして、スキップを15秒から10秒に変更したことがあげられています。確かにアメフトは時間の管理が厳格なスポーツですから、ちょっとした改善が大きな効果を生むのでしょう。この恩恵は他のスポーツの視聴者にも還元されることになります。

https://www.sportspro.com/news/nfl-dazn-game-pass-international-success-november-2024/


既報の通り、DAZNは来年開催のFIFAクラブワールドカップのグローバル放映権を獲得するとともに、「FIFA+」をDAZNに統合すると発表しました。他のサービスをDAZNと統合させる動きは、このNFL Game Passなど数件の例があります。統合によって、従来FIFA+にアクセスしていなかったユーザーを取り込み、また逆に既存のDAZNユーザーをFIFA+に誘導しようという意図が感じられます。


DAZNとNFLとの契約は10年で総額10億ドルとされます。今回発表されたFIFAとの契約も総額10億ドルと推定されています(10億ユーロとする報道もあり)。別に数字が近いからといって直接の関係はないのですが、どちらもそれだけの大型投資を行う価値がある案件だということです。

DAZNはオーストラリアの放送局・Foxtelの買収を狙っているとも報じられています。オーストラリアで人気のあるフットボールの放映権はすでに高騰していますが、Foxtelはすでにラグビーリーグとオーストラリアンフットボールの権利を保有しています。そこにアメフトとサッカーを加えて攻勢をかけていくといったイメージでしょうか。

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