【2024年】放映権10大ニュース・国内編解説
【第10位】Bリーグ・WEリーグ・SVリーグに冠スポンサー
バスケットボールのBリーグにはりそなグループ、女子サッカーのWEリーグにはSOMPOホールディングス、バレーボールのSVリーグには大同生命がそれぞれ今シーズンから冠スポンサーとなっています。
いずれも金融機関であり、Jリーグの明治安田にならうものと考えてよいでしょう。個人(リテール)向けのビジネスの比重が高く、全国に支店を持っていることから、地域密着を重視しています。また、スポーツを通じて健康をアピールできることも親和性が高い理由です。
【第9位】井上尚弥選手「リヤド・シーズン」からスポンサード
サウジマネーがスポーツ界を席巻している流れがここ数年続いていますが、ようやくと言ってよいのか、日本にもそのマネーの一部が振り向けられました。
本来年末に予定されていた試合が1月に延期されたため、来年のスケジュールが難しくなっていますが、どこかでリヤド・シーズンのイベントのひとつとして、サウジでの試合が組み込まれることになるかと考えられます。
【第8位】ABEMA、他サービスと相次いで提携
今年のABEMAはDAZN、WOWOW、J SPORTSと提携し、自らの配信プラットフォームをシェアする戦略を展開しました。ユーザーにとっては同じプラットフォームで視聴できることにメリットがありますし、また一部のコンテンツをABEMAお得意の無料配信とすることで、契約への導線とする狙いもあります。
ABEMAは四半期ベースでは黒字転換を果たしましたが、年度ではあと一歩のところで黒字化を逃しています。視聴者数は引き続き増加しており、広告収入は今後増えていきそうです。また、最近では広告付きプランを導入し、プレミアム会員の増加も狙っています。
【第7位】LeminoがJ3リーグ・ルヴァン杯の配信に参入
昨年、DAZNがJリーグとの契約を見直し、J3が対象から外されました。昨年は引き続きDAZNが配信しましたが、今年はDAZNに加えてLeminoが参入。一部試合を無料配信しています。来年は全試合無料配信が決定しました。
また、ルヴァンカップをディレイ配信したり、海外サッカー情報番組「Lemino Football」を開始するなど強化をはかっています。
【第6位】日本企業が五輪TOPスポンサーから総撤退
IOCのTOP(The Olympic Partner)として契約していたパナソニック・トヨタ・ブリヂストンの日本企業3社がいずれも契約を更新せず撤退しました。投入したコストに見合った成果を得られず、東京五輪の汚職によるイメージ低下が拍車をかけた形です。
【第5位】DAZN、W杯予選日本戦を無料配信
DAZNは11月に開催されたワールドカップアジア予選のアウェー2試合(vs.インドネシア、vs.中国)を無料配信しました。ゲストを迎えたコンテンツ「FanZone」が開放された一方で、通常の実況・解説が入ったコンテンツは会員向け専用でした。
グローバル的な施策として、今年初めから「DAZN Freemium」を導入し、一部コンテンツを無料で配信していましたが、正直なところあまり知られているとは言い難い状況です。今後は料金収入と広告収入のバランスをとっていきたいとの考えですが、果たしてどうなるか。
【第4位】EURO2024、ABEMAが全試合無料配信
開催ぎりぎりまで放映権の行方が決まらなかったEUROですが、まずWOWOWが放映権獲得を発表。しかし、その翌日に今度はABEMAが全試合を無料配信すると発表しました。
第8位にある通り両社は提携関係でもありますが、この件で協調していたようにはあまり感じられず、WOWOWにとってはメンツが潰されたようにも思われます。ただ、WOWOWは欧州CL/ELの放映権を継続できたのが救いではあります。
【第3位】フジテレビ、ワールドシリーズの放映権獲得でNPBと摩擦
ドジャースとの破格の契約による移籍、50-50達成、そしてワールドシリーズ制覇と正直出来過ぎなシーズンを送った大谷翔平選手。報道は過熱し、自宅が公開されてしまうという騒ぎも発生。
その当事者でもあるフジテレビが、今度はワールドシリーズの放映権を獲得し、生中継だけでなく当日夜にもダイジェストを放送。それが日本シリーズの裏番組となり、NPBとの関係が悪化・・・となんとも騒がしいことに。この騒動は来年に持ち越されそうです。果たして取材拒否に発展するのでしょうか。
【第2位】DAZNが3年連続値上げ。他サービスも値上げ続出
1,925円→3,000円→3,700円と値上げが続いたDAZNですが、今年2月にはまたも4,200円に値上げ。円安と物価高に日本経済が追いついていないという背景はあるものの、やはり痛い出費であることは間違いありません。
DAZNとF1で競合するフジテレビNEXTも値上げしましたし、ストリーミングではNetflixなども値上げ。第8位にもある通り、ABEMAは広告付きプランを導入し、来年はAmazonも導入予定です。
【第1位】U-NEXT、プレミアリーグ放映権獲得など大攻勢
今年の日本における主役はU-NEXTであったことは間違いありません。年明けには格闘技で攻勢をかけ、UFC、PFL、ONEなどの権利を次々と獲得しました。
そして世間を驚かせたのがプレミアリーグの放映権獲得です。もともとは2025-26シーズンからの入札だったのですが、現在の権利者であるSPOTV NOWがギブアップし、1年早まることとなったのです。それだけSPOTV NOWも厳しかったと言えます。
年末にはテニスのATPツアー、ゴルフのDPワールドツアーの権利獲得も発表しています。来年もまた大きなサプライズがあるかもしれません。
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