【速報】Venu Sports、サービス開始を断念。

ディズニー・FOX・WBDの3社による合弁事業としてサービス開始を予定していた「Venu Sports」ですが、事業の中止が発表されました。


4日前にあたる1月6日、Venu Sportsを提訴していたFuboをディズニーが買収するという「奥の手」が繰り出されたばかりです。Fuboが提訴を取り下げる代わりに3社が和解金を支払うことが発表されており、決してディズニーが独断で行ったものではありません。にも関わらず、わずか4日での態度急変にはまた驚かされました。

Fuboとの和解で大きなハードルを越えたVenu Sports。もともとはNFLのシーズン開幕に合わせて昨年9月にローンチを予定していましたが、改めてスーパーボウルには間に合わせてくるのではと報じられていました。今年のスーパーボウルはFOXが放映権を持っています。

Fuboが軍門に下っても、他のvMVPD業者は黙っていませんでした。「Sling TV」を提供するDish NetworkとディレクTVは、今回の訴訟を担当した判事に向けて意見書を送っています。この2社が提訴に踏み切れば、改めて差し止めの仮処分が下される可能性があります。


また、政府当局による調査はいまも続いているとみられます。まもなく次期トランプ政権が発足することで、方針が変更される可能性もあります。


ただ、これらの要素を3社が理解していなかったとは考えにくく、この4日間でどんな議論が交わされて、この決定に至ったのかは実に不思議であります。

Fuboやディズニーの「Hulu + Live TV」は、インターネット上でマルチチャンネルを配信するいわばCATVの代替のようなサービスで、vMVPD (virtual Multi-channel Video Program Distributer)と呼ばれています。料金はFuboが月94.99ドル~、Hulu + Live TVは 82.99ドル~と結構なお値段です。


また、トップシェアのYouTube TVも82.99ドル~であり、いくら物価が違うとはいえ視聴者の負担は重くなっています。裏を返せば、それでも数百万件規模の契約を獲得できるので、スポーツにおいても多額の放映権料を支払えるわけですが。


Venu Sportsは料金を月42.99ドルと発表しており、スポーツに特化することで比較的定額に設定していました。もっとも、3社だけではカバーできないコンテンツがあるので、結果的には従来に近い負担になる人も多そうです。高い料金の中でも、それだけスポーツが占める割合は大きいのです。

今後の展開ですが、ディズニーは単独でESPNのストリーミングを今年8月にも開始する予定です。この計画はもともとVenu Sportsとは別に進められていました。WBDは「Max」の中でスポーツを配信するオプション「B/R Sports」を提供しています。


問題はFOXで、傘下には無料のストリーミングサービス「tubi」があるものの、有料で配信するサービスを持っていません。2月のスーパーボウルは、引き続き従来のvMVPDを通じて視聴することになります。改めて他社と組むことになるのでしょうか。

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