米F1、改めてNetflix・Appleが触手。

「TECHNO EDGE」というメディアに掲載された記事なのですが、正直このメディアがどんなものなのかがよく分かってません。基本的にはテクノロジー寄りなのですが、ライターが結構自由に話題を持ち込んでいるようにも見えます。


内容としては、英Times紙の記事を引用する形で、Netflixが来年(2026年)からのF1の放映権獲得を狙っている・・・というものです。ちゃんと「米国では」という但し書きもありますし、事実関係についてもかなり正確で、良記事だと感じました。


ただ、多くの読者はこの「米国では」という前提を理解していません。その結果、日本でも来年からNetflixでF1が観られるのでは?という期待を抱かせる形になっており、SNSでは勘違いしている人が多数です。あえてそのように狙ったのだとしたら、ライターさんの技量がすごいですね。

NetflixがF1の放映権を狙っているという話が最初に出たのは2021年9月のことです。ドキュメンタリー「Drive to Survive」シリーズが好調だとは言え、Netflixはライブ配信を手がけてきませんでしたので意外に思われました。また、Netflixはグローバル展開を特徴としていますので、やはり放映権もグローバルで狙うのか。果たしてこんなことは可能なのかという疑問もありました。


結果的に、グローバルではなくアメリカ国内のみの放映権が対象だったようなのですが、2023年からの契約はESPNが防衛しています。ただし、従来は年間500万ドルだった放映権料が、7,500~9,000万ドル(メディアによって異なる)と一気に高騰しています。

Appleは、ブラッド・ピット主演の映画「F1」を制作しており、今年6月に劇場公開を予定しています。Appleもまた、F1の放映権を狙っていると報じられています。こちらもグローバル指向が強い企業なだけに、2023年に報じられた記事では年間20億ドル規模のオファーを出しているなどと書かれていましたが、どこまで本当なのか。


グローバルと言えば、今年開催されるFIFAクラブワールドカップの放映権をDAZNが10億ドルで購入していますが、今回から内容が大きくリニューアルされており、実質新しい大会と言ったよいかと思います。


新しい大会ならグローバルで権利を売るという発想も理解できるのですが、すでに完成されており、世界各国のテレビ局に放映権を販売しているF1がグローバルに転換するのであれば、これは新たな時代の到来と言っていいほどです。すでに自前の「F1 TV Pro」があるとは言え、世界中からストリーミングでの視聴となれば、インフラにかかる負荷も計りしれません。

日本もアメリカと同様に、今年(2025年)で契約が切れるため、来年以降の動向がおおいに気になるところです。このあたりの話は今年の年頭にも記事にしたのでそちらを参照して頂ければと思いますが、そこにフジテレビの問題が加わり、更新が危惧される状態となっています。


もしNetflixなりAppleなりがグローバルで放映権獲得ということになれば、既存の契約が切れた国から順次適用となるはずです。つまり、日本は真っ先に来年から適用されることになるわけですね。そういう含みもいちおう見ておきましょう。

話は最初の記事に戻るのですが、引用元となった英Times紙の記事は残念ながら有料のためこちらで読むことはできませんでした。ただ、それを引用した他の記事によると、どうやらESPNの優先交渉期間が切れ、現在は自由交渉のフェーズに移行したようです。より魅力的なオファーが期待される状況では、優先交渉期間などあってないようなものです。この時期に新たな記事が出てきたというのは、そういう理由だったのですね。


ちなみにESPN・Netflix・Appleだけでなく、Amazon・NBC・WBDといった名前もあがっているようです。ただ、アメリカにおけるF1の視聴者数は昨年伸びが止まっており、さらなる好条件を獲得できるかは微妙な情勢です。そこにグローバルという餌がぶら下がったりするのでしょうか。

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