【続報】リーグ・アン、裁判所の判断は2月末に。

DAZNがリーグ・アンの放映権料について支払いの一部を拒否している件について、2月14日にパリの裁判所で審理が開かれました。2月28日には暫定的な命令が下される予定とのことです。


DAZNが拒否しているのは、2月に支払いを予定していた7,000万ユーロのうち半分の3,500万ユーロとのこと。これは少なくとも2月末までは支払われません。それは同時に各クラブへの配分も遅れることに意味し、経営にもダメージを与えることになります。

この問題について、日本のDAZNでのリーグ・アン配信は大丈夫なのか?という疑問も出るかも思いますので先に書いておくと、国外向けの放映権はinfrontが代理店となっており、DAZNもinfrontを通じて契約しています。なので、今回の問題とは契約上切り離されており、直接的には影響ありません。


ただし、DAZNが主張している違法視聴の蔓延については、フランスだけでなく国際的な問題となり得ますので引き続き注意を払う必要があるでしょう。

DAZNが掲げる理由として、違法視聴への対策が不十分であることは繰り返しお伝えしている通りです。DAZN側はフランスの通信当局であるARCOMに対しても不満を漏らしており、「鍋を買ったつもりがザルだった」というコメントを残しています。


それに加えて各クラブの協力も足りないとしています。映像を制作するにあたって、各クラブに素材提供を求めたところ非協力的だったとのこと。また、各クラブが運営するSNSにおいてDAZNへのリンクを貼っていないともしています。その点、JリーグのクラブはうるさいほどDAZNへの誘導をやっていますよね・・・


今回の行動は唐突に思われるかもしれませんが、DAZNは昨年12月中旬にリーグ・アン側に要望を提出しており、事前に警告していたと主張しています。しかし、リーグ側から有効な回答を得ることができず、2月5日に半額の3,500万ユーロのみを支払ったとのことです。


こういった状況を加味しても、2月28日にはいったん全額を支払う命令が下されるのではないかと個人的には予想しています。しかし、どんな結論が出たところで、リーグ側から相当な譲歩を引き出せなければ、12月にオプトアウトの権利が行使されるのはほぼ確実でしょう。

リーグ・アンの放映権を持つbeIN Sportsの動向も気になるところで、DAZNとともにオプトアウトを行使する可能性が伝えられていますが、まったく別の方向から変な話も入ってきています。beIN、そしてPSGの会長であるナセル・アル・ケライフィ氏に捜査の手が及んでいるようなのです。


フランスのメディア大手であるラガールデール社と、その株主であるカタールの投資ファンド・QIAの間で疑惑が持ち上がっているようですが、複雑な話なのでこちらの理解が追いついていません。


ただ、以下の記事によるとケライフィ氏はフランスでの投資事業に嫌気がさしているそうで。beIN、さらにはPSGへの投資を引き上げるといった最悪の事態にまで発展すると、それこそフランスのサッカー自体が終わりかねません。

これはそのうち別の記事にしようかと思ってますが、リーグ・アンの救世主となるのは現在2部(リーグ・ドゥ)に所属するパリFCかも、という話もちらっと触れておきます。LVMHとレッドブルの資本が入ったパリFCは、来シーズンからPSGの本拠地のお隣にあるラグビー場を間借りする予定です。昇格を果たすことができれば、PSGの強力なライバルとなり、全体を盛り上げる存在となるでしょう。

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