【日経】2026ワールドカップは配信中心?

来年のFIFAワールドカップの放映権について、日経新聞がFIFA幹部のロミー・ガイ氏に取材しています。この方の名前は聞いたことがありますが、実際に日本のメディアが取材しているのは珍しいという印象です。


一部会員限定の記事なので、あまり詳しい内容は書けなくて申し訳ないのですが、FIFAは前回大会の30億ドルをさらに上回る40億ドルの放映権収入を目標にしているとのこと。また、日本では中継局を少なくしたい意向であり、ネット配信がメインになる可能性もあるとしています。

テレビからネットへのシフトが進む理由はいくつか考えられます。次回は北中米での開催となるため、日本時間では午前の試合が多いこと。参加国数・試合数が大幅に増えること。そして、前回中継を行ったフジテレビが不祥事を起こし、今後の予算確保が不透明になっていることがあげられます。


前回のカタール大会でジャパンコンソーシアムの枠組みが崩壊しました。FIFAの要望もあり、日本戦や決勝戦といった主要な試合は無料放送が残ると考えられますが、その場合もネット配信業者が中心となって放映権を獲得し、NHKなどテレビ局にサブライセンスするといった形がとられることも充分に考えられます。


2月の時点で東南アジアでの入札が進んでおり、日本もそろそろと思われます。国によっては2027年の女子ワールドカップや、2030年の次回ワールドカップとセットで放映権が販売されており、日本もそうなる可能性が出てきています。

予想は難解です。前回はABEMAが赤字覚悟で取りに行くという飛び道具が出てしまいました。今回も同様に飛び道具を出してくるところはあるのでしょうか。もちろん、赤字を出しても今後回収できる計画があればよいわけです。


ABEMAは広告モデルなので、視聴者数が増え、広告収入が伸びることに期待していました。もちろんもう一度やる可能性はあるのですが、ようやく単月黒字化を達成しつつあるという状況において、再度また巨額な赤字を出すことに意味があるのかが問われます。


ABEMAは先日、なでしこジャパンが出場した「シービリーブスカップ」を中継しました。日本がアメリカに勝って優勝というすばらしい結末になった大会ですが、今後女子サッカーにも力を入れていくという表明だと考えるならば、2027年の女子ワールドカップがターゲットとなります。そこに2026年もついてくるのかどうか。

有料サービスの獲得はどうでしょうか。ワールドカップは1か月ちょっとの大会ですから、その間の視聴料金だけで採算をとることはまずできませんので、大会終了後も長期的に契約してもらえるような仕掛けが必要です。


もっとも分かりやすいのは日本代表の選手たちの今後の活躍が追えることで、とくに最近は海外組がほとんどを占めていますから、欧州リーグが視聴できることが大切となります。その点で言えば、U-NEXTが最有力で、次いでDAZNという評価にならざるを得ません。


スカパーが持っているブンデスリーガの放映権が今シーズン限りで切れますので、そこが前哨戦になりそうです。スカパーの資金力的に継続は難しそうで、もしこちらもU-NEXTが獲得するような展開となれば、パワーバランスが大きく傾くことになります。

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