英ITV、クラブW杯に0円提示。

今年6月に開催されるFIFAクラブワールドカップ。DAZNがグローバルの放映権を獲得し、全試合を無料配信することが決まっていますが、その交渉過程においてイギリスの民放局・ITVが「0ポンド」の提示をしていたと報じられています。

FIFAは当初Appleとグローバルの放映権契約を結ぶべく交渉していましたが、FIFAの目標額は40億ドルだったのに対し、Appleの提示額は10億ドル程度とされ、交渉は決裂しました。その後、FIFAは従来通り国ごとに放映権を販売する形に変更し、イギリスでもITVなどに対して入札を呼びかけていたようです。

結果的に、DAZNの提示額も10億ドル程度とされ、さらに「FIFA+」をDAZNに統合するなど、大会以外の条件も追加されたわけですから、相場はさらに下がったことになります。


その結果として、当初は出場クラブに対して5,000万ユーロのボーナスが支払われるとされていましたが、実際には1,500~1,800万ユーロ程度になるとも報じられています。

昨年12月、ITVは公共放送のBBCと共同で、2026年と2030年のFIFAワールドカップの放映権を獲得したと発表しています。放映権料は明らかにされていませんが、こちらで充分な金額を支払っている以上、クラブワールドカップは「ついで」程度でしかないのです。


イギリスからはマンチェスター・シティとチェルシーの出場が予定されていますが、もちろんイギリスの国中が揃ってこの2クラブを応援するといったことはありません。全国中継を行うテレビ局にとっては旨みが少ないと言えます。


日本からは浦和レッズが出場しますが、浦和以外のサポーターで浦和を日本代表として応援する人は少ないでしょう。旧クラブワールドカップにおいても、以前は地上波で全試合放送されていたのがBSなどに追いやられていきました。1クラブの試合では全国で視聴率を取ることができません。それを揶揄する声も一部にありますが、前向きにとらえればこれはサッカー文化の成熟です。

DAZNは各国のテレビ局にサブライセンスを出す方針で、すでにいくつか契約がまとまっています。もちろん放映権料を多少なりとも回収したいという意味もありますが、グローバルでストリーミングする際の問題である「多言語対応」と「インフラの不安」に対応するという意味が大きいでしょう。


その点において、イギリスでサブライセンスを出す意味は薄く、イギリスではDAZNの独占配信になるものと考えられます。日本についても述べておくと、DAZNの主要市場なのでこれもサブライセンスを出す意味はなく、浦和戦と一部の主要試合に日本語コメンタリーを付けて対応することになると想定されます。

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