DAZN、リーグ・アンと調停へ。打ち切り濃厚か。

DAZNとリーグ・アンの放映権問題は、DAZNがいったん拒否していた3,500万ユーロの支払いに応じたことで一時的に緊張が緩和されましたが、その後の話し合いの場は法廷に移り、現在はパリの商事裁判所というところで調停が行われているとのこと。期限は4月10日に設定されており、それまでに何かしらの方向性が出そうです。


DAZNは今年12月に契約を解除するオプションがあり、これを行使すれば来シーズン(2025-26)の終了をもって終了となります。しかし、DAZNはそれを前倒しして、今シーズン末での終了を望んでいるとも報じられています。

年間3.75億ユーロとされる放映権料は複数回の分割払いとなっています。最初に書いた3,500万ユーロという数字は、2月15日が期限だった7,000万ユーロのうち半額の支払いを拒否したというものです。


4月30日には次の期限(7,000万ユーロ)が予定されており、またシーズン終了後にも7,000万ユーロを支払うことになっているようですが、DAZN側としてはこれらの支払いも留保することによって、リーグ側に実質的な減額を突き付けるものとみられます。

契約では、リーグ側が他の放送局と交渉することを禁じる条項があるとされており、DAZN側としては削除を認めるようです。ただ、裏を返せばそれはリーグ側に早く次の放送局を探すように促していると解釈することもできます。もし、有力な代案が見つからなければ引き続きDAZNに泣きつくしかないというわけですね。


この話はDAZNのさらに前、Mediaproに放映権を高く売りつけることに成功した時から始まっています。成功は同時に転落への入り口だったのです。高い料金設定でファンにそっぽを向かれ、さらにコロナ禍が襲ったことでMediaproは早期撤退を余儀なくされました。そして、その後のゴタゴタから長年リーグ・アンを支えてきたCanal+をも敵に回す結果に陥ったのです。


なんとかDAZNという新たなパートナーを見つけましたが、リーグ・アンはその価値を自らの手で落としており、再度価格設定で過ちを繰り返すことになりました。このあたりの経緯は近い機会にまとめられたらと考えておりますが、現代の寓話になるかもしれません。

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