【現地報道】DAZNが韓国市場への参入を検討?
韓国の複数のメディアが、DAZNが韓国市場への参入を検討していると報じています。
自動翻訳に頼らざるを得ないため、必ずしも正確な内容ではないかもしれないことはあらかじめご容赦いただきたいのですが、すでに韓国国内の複数のスポーツ団体と接触しているほか、JTBCが獲得したオリンピック・FIFAワールドカップの放映権のサブライセンスに関心を示しているとされます。
「アジア事業開発」という肩書も持つ、DAZN Japan・笹本CEOへのインタビュー記事を先日紹介しました。その中で「他のアジア地域でも日本発のビジネスモデルを展開したい」という発言が登場していたのですが、早くもその動きのひとつが出てきたことになります。
ただ、韓国におけるスポーツのストリーミングは競争がますます激化しており、このタイミングで参入するのは果たしていかがなものか、というのが個人的な見解です。目玉となるコンテンツを獲得するには相当な資金が必要となります。
韓国における大手のサービスと言えば、日本だとまずSPOTV NOWの名前があがるでしょう。日本市場において、DAZNはSPOTVにプレミアリーグの放映権をさらわれる屈辱を受けました。
もっとも、SPOTVは衛星放送のほうが主体の業者であり、ストリーミングでは厳しい競争にさらされています。せっかくのプレミアの放映権も耐え切れず、契約を1年残してU-NEXTに渡すはめになっています。韓国ではプレミアリーグの放映権をまだ持っているSPOTVですが、こちらも来シーズンからクーパンプレイ(Coupang Play)に移動することが決まっています。
ということで、ストリーミングにおける最大の競争相手はクーパンプレイとなるでしょう。大手EC業者のクーパンはさしずめ韓国版の楽天といった存在であり、Amazonが韓国市場に進出できていないのはクーパンの競争力の高さゆえと言われます。
来シーズン、クーパンはプレミアリーグに加え、ラ・リーガ、ブンデスリーガ、リーグ・アンの放映権も獲得しており、欧州5大リーグのうちセリエA以外の4つを制しました。また、MLB中継にも力を入れており、昨年韓国で開催された開幕シリーズの冠スポンサーにもなっています。
いわゆる韓流エンタメを多数手がけるCJ ENM社も、自社のストリーミング「TVING」を発展させています。TVINGは日本進出も噂されています。
スポーツにおいても、韓国プロ野球(KBO)とストリーミングの独占契約を結んだほか、今年に入って大韓サッカー協会(KFA)とも10年契約を結び、韓国代表の試合やコリアカップ(日本の天皇杯に相当するカップ戦)などを配信する予定です。
そんな状況でDAZNに付け入る隙があるのかどうか、正直なところ疑問なのですが、もしあるとすれば最初にあがったJTBCかもしれません。JTBCはゴルフのLPGAツアーと、放映権料や韓国国内で開催される試合の開催料について紛争が発生しています。
この件についてアップデートしておくと、LPGAはJTBCの親会社にあたる中央日報を相手として訴訟を起こしており、未払い分の支払いと放映権契約の打ち切りを求めているとのことです。来年以降については新たな業者が参入する余地が出てきそうです。
あと、もうひとつカギとなりそうなのが、各国で交渉が進められているクラブワールドカップのサブライセンスです。韓国からも蔚山HD FCが出場を予定しており、DAZNとしてもテレビ中継を実現させたいところでしょう。
サブライセンスが成立したとしても放送されるのは一部の試合であり、他の試合についてはDAZNでの配信となります。なので、ちょっと嫌な予感もするのですが、もしこの話に尾ひれがついた結果としてDAZNの韓国進出が囁かれているのだとしたら、ちょっと先走りすぎではないか・・・とも思うのです。あまり期待せずに続報を待つこととします。
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