【速報】FIFA、W杯放映権で博報堂と独占交渉(日経)
今朝の日経新聞によると、来年開催されるFIFAワールドカップの日本向け放映権について、FIFAは前回までの電通ではなく、博報堂と独占交渉を行っているとのこと。
筆者は記事の中身も読ませて頂きましたが、有料記事なのでそのすべてを詳しくお伝えすることはできないことをあらかじめご容赦ください。
内容としては、約1か月前に東洋経済が「スクープ」として報じた内容を追認するものです。なので、基本的にはその際に書いた記事から大きなアップデートはありませんので、まずはそちらを読んで頂けると幸いです。
東洋経済はFIFAから公式なコメントを入手したとしていますが、今回日経はFIFAの幹部に取材し、その実名も記事中に書かれているということが大きな特徴となっています。
まぁ、これくらいは書いちゃってもいいですかね。FIFAで放映権担当のディレクターという役職についているJean-Christophe Petit(ジャン・クリストフ・プティ)氏です。前職はUEFAの放映権の代理店であるCAA Eleven、さらにその前にはUEFAに在籍していました。
ちなみに3月にも日経は別の幹部に取材した記事を出していますので、東洋経済とともにこの件を追いかけていたことが分かります。
改めて繰り返しておきますが、FIFAが電通を外したのは既定路線であり、東京五輪の汚職事件とは無関係とは言わないものの、決定的な要因ではありません。他の国でも代理店を外しており、FIFAによる直販モデルを作ろうとしていました。
また、FIFAは前回カタール大会での結果に不満を抱いていたともされます。日経の記事ではカタール大会の放映権料について「二百数十億円」だったと記しています。これは、以前から日経の記事に出ている数字と同じですね。
この数字はメディアによって複数の説があり、低いもので180億円、高いもので350億円とだいぶバラついています。ただ、350億円だったら電通外す意味はあまりないよね、という話になりそうですが。
それでも博報堂という代理店と交渉しているのは、それだけ日本市場が特殊であり、また日本市場で電通がやってきた仕事がそれだけ特殊だったことを意味します。単に放映権を販売するだけにとどまらず、広告枠を買い付け、スポンサーを探し、プロモーション戦略も策定するなど、もろもろを請け負う「総合広告代理店」です。
博報堂は日本国内において第2位の広告代理店であり、スポーツに携わった経験もないわけではありません。Jリーグ初期の代理店であったことは知られますし、現在でもゴルフのツアー大会などで強みを見せています。しかし、国際的なスポーツ大会での経験は乏しく、デビュー戦でいきなり世界タイトルマッチに挑むくらいの壁を感じます。
来年の北中米大会は、参加国が増え、試合数も大幅に増加しますが、日本においては時差が最大の敵となります。とくに平日の朝にサッカーを視聴する層は限られますし、MLB中継との競合もあります。この状況で、前回を上回る放映権料を獲得するのはなかなか厳しいものがあります。
日経の記事中には、放映権の販売先は多くて3社であり、また資金力のある配信業者に期待するといった記述があります。日本戦などが有料になることを避けるために、1社はNHKが入るものと想定されますので残りは2枠ですが、配信業者+民放局になるのか、それとも配信業者のみになるのか。
ただ、いまの日本国内に「資金力のある」配信業者がいるかと言われると、それもまた疑問だったりします。前回のABEMAのように赤字上等で突っ込む業者が現れるのか。それとも外資系の巨人が登場するのか。そんな感じで想像をめぐらせるのもよいかと思います。
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