WBDが会社分割へ。Comcastに続く。

ワーナーブラザーズ・ディスカバリー(WBD)は、会社を2社に分割する計画を発表しました。


映画・テレビドラマなどの制作部門とストリーミング「HBO Max」の事業が「ストリーミング&スタジオ」に。TNT・CNN・ディスカバリーチャンネル・カートゥーンネットワークといった有料チャンネルの事業が「グローバルネットワークス」として再編されます。

先月にはComcastが同様に会社の分割を発表。有料チャンネルの事業を新会社「Versant」に移管するとしており、WBDもこの動きに追随した形です。


比較的安定した収入源である一方、CATVの解約が進んでいることから成長性に欠けるとされる部門を切り離すことで、より経営的な自由を与え、再成長への布石としたいところです。そのための選択肢としてはさらなる合従連衡も当然考えられることで、「グローバルネットワークス」と「Versant」が手を組むことも考えられますし、他の相手と組むシナリオも充分あり得るでしょう。

もっとも、スポーツの放映権料が暴騰している現状においては、スポーツチャンネルもまた不安定な事業ではないかというツッコミはできるでしょう。


WBDは、今シーズン限りでNBAの放映権を失い、先日傘下のTNT Sportsで最後の放送が行われました。名物番組「Inside The NBA」はESPNで放送されることになり、TNTは引き続き番組制作を請け負う形に切り替わります。


WBD自身が莫大な負債を抱えていることもあり、これを機にスポーツの超大型案件に対しては慎重な姿勢を見せています。現在保有している案件としては、MLB(2028年まで)、NHL(2028年まで)、マーチマッドネス(2032年まで)といったものがあげられますが、これらも次第に整理されていくのでしょうか。

ということで、TNT Sportsと保有している放映権は「グローバルネットワークス」のほうに移管されるのですが、面白いのがイギリスのTNT Sports(旧BT Sport)については「ストリーミング&スタジオ」のほうに移管されるということです。


イギリスのTNT SportsはBTとの合弁会社になっており、近日中にWBDがBTからすべての株式を購入して完全子会社化する予定です。ここの手続きが完了していないので、形式的なものなのか。それとも、また別の思惑があるのか。

また「HBO Max」はストリーミング&スタジオなんですが、「discovery+」はグローバルネットワークスというねじれも発生しています。WBDはストリーミングの統合を各国で進めていますが、discovery+をクローズする選択はとっておらず、個別のサービスとして存続させています。


もしかしたら、旧ディスカバリー系のコンテンツとの兼ね合いもあるのかもしれません。ユーロスポーツも旧ディスカバリー系で、discovery+を通じて配信されていますので、グローバルネットワークス側に置いておいたほうがやりやすいのでしょうか。

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