DAZN、米英でセリエAの放映権獲得。
DAZNは、アメリカとイギリス・アイルランドで来シーズンからセリエAの放映権を獲得したと発表しました。
アメリカでの権利はスペイン語放送のみとなります。先日、DAZNは欧州CLのスペイン語放送の権利をTelevisaUnivisionからのサブライセンスで獲得したと発表しており、それに続く動きとなります。クラブワールドカップ終了後を見据えたものです。
全試合を配信予定ですが、毎節10試合のうち5試合が独占、残り5試合は非独占の扱いとなっています。スペイン語放送の権利はFOX傘下の「FOX Deportes」が2024-25シーズンから2年契約を結んでいますが、毎節3試合の放送とのことです。つまり、権利のすき間をDAZNが突いてきたことになります。
日本でも全試合独占ではなく、2社が並存する時期が続きました。DAZNはフジテレビやSPOTV NOWに割り込まれる立場にありましたが、アメリカにおいては割り込む立場となったわけです。なお、現在はDAZNが全試合独占と公表しています。
英語放送の権利は2024-25シーズンからCBSが契約していますが、こちらも2年契約とされています。すなわち来年の北中米ワールドカップを区切りとしているわけです。
ワールドカップに向けて、アメリカにおけるサッカー放映権は高騰が続いてきました。これは果たしてバブルなのか。もしバブル崩壊となれば、DAZNにも獲得するチャンスが出てくると言えますが、まずはクラブワールドカップで成功を収めないと先には進めません。
イギリスとアイルランドでは、毎節8試合がDAZN独占、残り2試合が非独占となります。ただし、イギリスではいわゆる「3pm blackout」ルールにより、土曜の午後3~5時はライブ配信ができないため、そこに被る試合はディレイとなります。
これもまたすき間を突いた契約です。非独占となっている2試合はTNT Sportsが権利を持っています。今回DAZNが獲得した権利は、昨シーズンOneFootballで配信されていたものです。
2024-25シーズンの新しい契約で、TNT Sportsの放送は毎節5試合から2試合に減らされてしまいました。新たな販売先を確保できなかったセリエAが、OneFootballに話を持ちかけ共同でプラットフォームを立ち上げたというのがより正確な表現となります。OneFootballが放映権を買ったわけではないので、権利が浮いている状態だったわけですね。
昨シーズンは全試合が視聴できる契約のほか、特定のクラブの試合だけ視聴できるプランや、1試合ごとのPPVも提供されたそうで、いわば新たな販売方法をテストしていたと言えます。その結果、おそらく芳しい成果はあがらなかったのでしょう。改めて放映権を買ってくれるところが現れましたので、売ったほうが得策だというわけです。
DAZNの本拠地であるイギリスで、サッカーのトップリーグを配信するのは初めてのことになります。女子サッカーだったり、あるいはナショナルリーグ(5,6部相当)の権利は持っていますが、改めてサッカーに向き合う姿勢を見せています。
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