米Fubo、スポーツ専用プラン開始もまだ高すぎ?

アメリカでインターネットを通じたテレビサービス(vMVPD)を運営する「Fubo」は、スポーツ観戦に特化したプラン「Fubo Sports」の提供を開始しています。


このサービスには、スポーツ系のテレビチャンネルのほか、8月にサービスが開始された「ESPN Umlimited」(月額29.99ドル)も付属していますが、それでも料金は月額55.99ドルに設定されており(契約初月は10ドル割引)、正直あまり安いとは言えない気もします。

このプランには残念な点があり、NBCとWBDのチャンネルが含まれていません。ですから、NBCで放送されるNFLの"Sunday Night Football"を観ることはできませんし、WBD傘下のTNT Sportsで放送されるMLBなどの中継も観られません。これらを補うには、"Peacock"や"HBO Max"といったストリーミングを追加する必要があります。

料金が高いCATVを嫌い、ストリーミングに流れた人たちは「コードカッター」と呼ばれています。チャンネル数も多すぎるということで、必要最小限のチャンネルに絞った安価なパッケージ「スキニーバンドル」も人気です。しかし、現実的に観たいものを観たければ複数のストリーミングに加入せざるを得ませんし、スポーツを観るにはとにかくお金がかかります。

Fuboは、かつてディズニー・FOX・WBDの3社合弁で設立した「Venu Sports」に対して、独占禁止法違反で勝訴し、結果的にサービスを潰した張本人です。ディズニーは奥の手として、なんとFuboを買収するという動きに出ました。


今年1月に株式の70%を取得することで合意しましたが、その後当局の審査が続いていました。決まったのはつい最近の10月29日のことで、正式に買収の契約が結ばれています。

ですから、Fuboは名実ともにディズニーの別動隊と言えます。ディズニー傘下には同様のサービスである「Hulu + Live TV」があり、別々のプランを提供することで実験をしているのでしょう。ESPNがパッケージに含まれているのも至極当然です。WBDと契約していないのは当局を刺激しないためですかね・・・

そして、ディズニーはYouTube TVとの紛争が明らかになっています。FuboもYouTube TVの契約者への移行先として機能することになります。スポーツコンテンツを盾にして、いろんな方面で暴れ回っている感がどうしても出てきますね・・・

その他の動きも紹介しておくと、Fuboは6月にDAZNとの提携を発表しています。今回の「Fubo Sports」にDAZNは含まれていませんが、オプションで提供されます。Fuboを通じて、DAZNとESPNが接近していく可能性も十分に考えられます。

そういえば、こんなニュースもありました。ESPNが保有するカレッジフットボールとバスケットボールの放映権について、DAZNとサブライセンス契約を結んだというものです。対象はヨーロッパとMENA(中東・北アフリカ)となっており、残念ながら日本は含まれていません。

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