川淵氏が語る、BリーグとJリーグ、そして孫さん。

元TBSアナウンサー・小倉弘子氏が出演するYouTubeチャンネル「miraiA」に川淵三郎氏が出演。Bリーグが誕生する際のエピソードを語っているのですが、その際にJリーグの話題も出てきているのでまとめて取り上げたいと思います。

実業団リーグのNBLが分裂し、プロリーグのbjリーグが発足。しかし、このことでFIBAから制裁を食らい、一本化を迫られます。リーグ統合に向けたタスクフォースが発足し、そのリーダーとしてJリーグで「剛腕」をふるった川淵氏が起用されました。


「bjリーグの会長がアルビレックス新潟でJリーグで理事になった人」という発言がありますが、これは現在もアルビ会長を務めている、NSGグループの池田弘(ひろむ)氏のことですね。まずはこのパイプを活かして交渉が始まることになります。

bjリーグは15億円の出資金を集めたものの、財政は火の車で債務超過の危機にありました。この15億円を保証してくれるのであれば、リーグを解散してもいいという話になったとのこと。川淵氏は、Jリーグの先例にならいBリーグのマーケティングを担う会社を設立し、その収益から返済していくプランを提案します。


それと並行してメインスポンサーの獲得に動きます。ここで登場するのがソフトバンク・孫正義氏です。最終的に年30億円と推定されるスポンサー契約が結ばれ、Bリーグは無事発足しました。あわせてソフトバンクは放映権も獲得し、「バスケットLIVE」の設立へとつながっていきます。


なお、昨日発表されたBリーグの今シーズンのスポンサーにおいて、ソフトバンクは引き続きトップパートナーとして名を連ねています。タイトルパートナーであるりそなホールディングスよりも上位の扱いです。

ここから話がJリーグに飛ぶのですが、かつてソフトバンクはJリーグの放映権獲得に動いていたとのこと。「メディア王」ことFOXのルパート・マードック氏と手を組み、衛星放送「JスカイB」を設立した直後のことで、おそらく1997年頃かと思われます。

この時は、NHKとすでに放映権契約を結んでいたため断らざるを得なかったとのこと。後にBリーグ発足の記者会見において、川淵氏が発言した内容によると、孫正義氏は「好きな金額を書いてください」と白紙の小切手を川淵氏に差し出したと言います。


イギリスの「BスカイB」がプレミアリーグを誕生させたのは1992年のこと。それから数年、もしこの契約が成立していればJリーグの未来は大きく変わっていたかもしれません。JスカイBは結果的に独自でのサービス開始を断念。パーフェクTVとの合併を選択し、現在のスカパーへとつながります。

それから10数年が経ち、改めて川淵氏と孫氏が交渉のテーブルにつきます。この時はBリーグではなく、日本代表のスポンサー契約の話だったようですが、孫氏は「川淵さん、いくらにしますか?川淵さんが言った通りに決めますよ」と発言したんだとか。まぁ、川淵さんもだいぶお年を召したので、過去の記憶が混ざってしまっている可能性もあるのですが、Jリーグで成立しなかった話がバスケで再現されたことになります。


あと、Jリーグ創成期の話もちらっと出てきたので書いておくと、Jリーグ初年度の1993年、全国放送の放映権料は1試合1,000万円に設定されていました。この金額について、川淵氏はかなり強気の設定だったが、断固押し通したのだと言います。ただ、当時プロ野球の巨人戦は1試合1億円だったとされますので、それと比較すれば割安であり、結果的に放送が増え、スタートダッシュを決めることができたのでした。

【お知らせ】現在コメント機能が使えない状態です。感想・意見・誤情報のツッコミ等ございましたら、筆者のX(旧Twitter)までお願い致します。 @flower_highway

0コメント

  • 1000 / 1000