【京都】ネーミングライツ購入企業が倒産
京都市は、B1リーグ・京都ハンナリーズの本拠地でもある「かたおかアリーナ京都」について、株式会社片岡製作所との命名権(ネーミングライツ)契約を解除したと発表しました。これにより、旧名の「京都市体育館」に戻されています。
この契約は2023年10月に開始されたもので、10年契約で年額1,700万円を支払う内容となっていましたが、わずか2年で終了となりました。
地元・京都の機械製造メーカーである片岡製作所は、7月25日に民事再生法の適用を申請し、事実上倒産しています。それゆえ契約解除は当然でしょう。ただ、記事を読む限りでは、過剰な設備投資が原因であり、技術力はしっかりした企業だと見受けられますので、再建は充分可能ではないかと思われます。自分のスポンサーを探すことが最優先であり、他のスポンサーなどしている余裕はありません。
ネーミングライツの契約はやめ時が難しい。先日お伝えした「日産スタジアム」の事例では、標識などを書き換えるのに1億5000万円がかかるとのことで、これは1年分の契約料に相当します。それゆえ、日産とは減額のうえで1年間の延長をのまざるを得ませんでした。
今回の事例ではわずか2年での解除ということで、どこまで費用がかかるのか。そして、それを誰が負担するのか。契約書にそういう条項は含まれているものとは思いますが、おおいに気になるところです。
企業の倒産や不祥事によって、ネーミングライツ契約が終了した例は過去にいくつか存在しますが、企業の自己都合によって終了した例もあります。その代表的なものが、2016年の「QVCマリンフィールド」(現ZOZOマリンスタジアム)です。QVCの解約理由は「当初の目標が達成できたため」だそうですが、地元・幕張に本社を置く企業として、この姿勢はいかがかものかと言わざるを得ません。
結果的に、違約金3.3億円を千葉市とロッテ球団に支払うことが合意したそうですが、契約書には途中解除に関する条項がなかったとのこと。その後、同じく幕張の地元企業であるZOZOが名乗りをあげたことで一件落着となったのですが、めでたしめでたしと簡単にすませていい話ではありません。いろいろと教訓を残した事例となりました。
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