マリナーズ、傘下のROOT Sportsを閉鎖。
MLBのシアトル・マリナーズは、100%子会社であるローカル放送局・ROOT Sports Northwestを閉鎖すると発表しました。9月28日に開催されるレギュラーシーズン最終戦が最後の中継となり、12月31日をもって放送を終了します。
この発表に呼応して、MLBは来シーズンからマリナーズのローカル放映権を直轄することを発表しています。地元の視聴者は、来年からMLBが運営する「MLB.tv」を通じて試合を視聴することになります。今後、地元の地上波やCATV局にライセンスされる可能性もあります。
ROOT Sportsは、もともとマリナーズとWBDの合弁会社でしたが、WBDの業績悪化にともない、RSN(Regional Sports Network)の事業から撤退。マリナーズがWBDの株式を引き継いでいました。すでに今年から映像制作の業務の一部をMLB本体に移管しており、ROOT Sports自体の撤退も秒読み段階だったようです。
RSNと言えば、本ブログでも採算取り上げたBally Sports(現FanDuel Sports Network)の破綻処理の話がありましたが、ROOT Sportsはこの話とは関係ありません。ただ、RSNというビジネスモデル自体が曲がり角であることは確かです。
マリナーズとROOT Sportsの放映権は、2014~30年の17年契約で、総額20億ドル(1年あたり1.17億ドル)と推定している記事もありますが、100%子会社となったいまとなっては無意味な数字です。MLB直轄になることで見かけ上の金額はだいぶ減るものと思われますが、それよりもコストカットのメリットのほうが大きいでしょう。
MLBは、全米向けの放映権契約が満了となる2028年を目標として、ローカル向けの放映権についても整理を進める意向です。今季は10球団がMLB.tvを通じて配信を行いましたが、来季以降はマリナーズ以外にも移行するところが出てくるでしょう。
2029年以降は全米向け、ローカル向け、そして海外向けの放映権を再編し、新たなパッケージとして販売する予定としています。その際には、同様に2028年で電通との契約が切れるとされる日本の放映権についても影響が生じるものと考えられます。
- MLB.tvでローカル向けのストリーミングを行っている球団
- MLBがローカル放映権を直轄
- クリーブランド・ガーディアンズ
- ミネソタ・ツインズ
- アリゾナ・ダイヤモンドバックス
- サンディエゴ・パドレス
- コロラド・ロッキーズ
- シアトル・マリナーズ ※来季から
- MLBとローカル放映権を持つ放送局が提携
- オークランド・アスレチックス
- サンフランシスコ・ジャイアンツ
- フィラデルフィア・フィリーズ
- ニューヨーク・メッツ
- ロサンゼルス・ドジャース
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