ドコモ、WOWOW出資に動くも法の壁が阻む。
ワールドカップの放映権がドコモとDAZNになるというスクープ記事が出た11月4日の朝、ドコモにはもうひとつ大きな記事が出ていました。WOWOWとの提携です。最初に報じたのは日経新聞であり、ドコモがWOWOWと提携し、コンテンツを調達するというものでした。
日経は、当日夜に新しい記事を出し、この提携の裏話的な記事を載せています。ドコモはWOWOWへの資本参加を検討しており、実際にWOWOWの筆頭株主であるフジ・メディアHDや、同じく大株主である日本テレビなどに協力を呼びかけていたというのです。
この背景には、ドコモの傘下であるLeminoと、フジの傘下であるFOD、さらに日テレの傘下であるhuluといった各種配信サービスを統合・再編しようという狙いがありました。各局がバラバラにやっていても仕方ないというのは自然な発想と思われます。
もっとも、WOWOWにはTBSも大株主として名を連ねており、テレ東もわずかながら出資しています。両社が参加しているU-NEXTとの折り合いをどう考えていたのかは定かではありません。
この計画は結果的に頓挫することとなりましたが、その理由は法律的なものだったと日経は記しています。詳しくは分かりませんが、通信会社の巨人であるNTTグループが、WOWOWという放送局に手を出すことにはいろいろと制約があるようです。結果的に、資本提携には至らず、コンテンツに関する提携のみにとどまっています。
筆者は18:30にドコモとWOWOWの提携に関する記事を出し、今後資本提携の可能性もあると書いたのですが、日経新聞が記事を出したのは18:00のことでした。つまり、この時点ですでに資本提携は消滅しており、私の予想は出す前からハズレだったのです。ちくしょー!
とはいえ、ドコモが直接関与しなかったとしても、テレビ局傘下の配信サービスは今後統合に向かう可能性が十分あります。フジ・メディアHDの清水会長は、6月の株主総会後にFODのサービス見直しについて触れており、売却の可能性を示唆しています。
WOWOW(オンデマンド)が加わるかは分かりませんが、FOD、hulu、そしてテレ朝の「TELASA」は遅かれ早かれ手を結ぶことになりそうですし、そこにLeminoも加わることによって、外資系のAmazonやNetflixに対抗する勢力を作る動きはありそうです。無料配信のTVerも鍵を握るプレーヤーと言ってよいでしょう。
スポーツの文脈においてこの流れがどう影響するかですが、ひとつ期待したいのはローカルスポーツの充実です。JリーグやBリーグなどの公式映像も多くは地方局が制作しています。「バーチャル高校野球」のようなサービスも出てきており、地方局の制作能力に期待する動きがもっとあってもよいかと思います。
0コメント