ESPN、日本再進出に意欲。Disney+で配信へ

ディズニーでAPAC(アジア太平洋地域)を統括しているルーク・カン氏(Luke Kang)がブルームバーグのインタビューに応じた記事が出ています。APACにおいては日本と韓国でオリジナルコンテンツの制作に注力しており、日本では小島秀夫監督のゲーム「デス・ストランディング」のアニメ版などをラインアップしているとのこと。


そして、スポーツコンテンツも戦略的に組み込んでいく意向を明らかにしています。すでにオーストラリアとニュージーランドでは「ESPN」ブランドのスポーツコンテンツをDisney+を通じて配信しており、今後は東南アジアや日本でのコンテンツ獲得を計画しているとのことです。

日本におけるESPNブランドは、1996年に始まった「スポーツ・アイESPN」以来となります。その後J SPORTSと合併し「J sports ESPN」となり、2011年に消滅しましたので、もし来年復活するとなれば15年ぶりのことです。


ディズニー傘下としてはFOX Sportsアジアの買収にともない、日本でも「FOX Sportsエンターテインメント」などを運営していましたが、現在は撤退しています。日本を含むアジア地域でF1の放映権を持っていたこともよく知られています。(2022年までフジテレビとDAZNにサブライセンス)

世界各国のDisney+では徐々にスポーツのライブ配信が始まっています。韓国でも今年夏に開催された、バルセロナの韓国ツアーの試合が配信されました。日本ではこれまでライブ配信は少なく、スポーツの配信はおそらくなかったものと思われます。しかし、もはや時間の問題と言ってよいかと思います。

スポーツではありませんが、日本では羽生結弦さんのアイスショーがDisney+でライブ配信されたことがありました。もし、Disney+がスポーツに参入した場合、フィギュアスケートはひとつの有力候補となりそうです。女性ファンが多いこと、そして来年のミラノ・コルティナ五輪が終わると新たな放映権サイクルが始まることが理由です。


その場合、グランプリシリーズのテレビ朝日と、世界選手権などのフジテレビがターゲットということになりますが、どちらかと言えばテレ朝のほうが狙われそうな感じです。

女性層へのアピールという観点だと、女子スポーツに注力するという考え方もあるでしょう。そうなると、すでに欧州で放映権を獲得しているUEFA女子CLあたりは候補となりそうです。昨シーズンまでDAZNが権利を持っていましたが、今シーズンはまだどこも手をあげておらず、宙に浮いている状態です。


あとは、アメリカのESPNが権利を持っている女子バスケットボールあたりも候補としてあげておきましょう。NCAAトーナメント(マーチ・マッドネス)や、WNBAの権利があります。

日本の女子選手が活躍しているという点では、ゴルフのLPGAツアーも気になっています。現在の放映権はWOWOWですが、以前「GOLFTV」がインターネットの権利を持っていた時期もあります。また、LPGA主催の大会である「インターナショナルクラウン」は先日U-NEXTで配信されており、権利関係が若干揺らいでいる可能性があります。


ということで、適当にいつか候補をあげてみましたが、せっかくの巨大資本ですから我々の予想を超えた大きな花火を打ち上げてほしいような気も。来年はNetflixも参入してきますし、正直戦々恐々ですね。


【追記】

本稿執筆後、WOWOWが今季限りでLPGAツアーの放送を終了すると発表しました。風雲です。

https://news.wowow.co.jp/2454.html


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