お騒がせ・イニエスタ氏の会社が自転車に参入。
サイクルロードレースのトップカテゴリチームである「イスラエル・プレミアテック」は、来シーズンからチーム名を「NSNサイクリング」に変更すると発表しました。
パレスチナ紛争によりイスラエルへの批判の声が高まる中、メインスポンサーが撤退を表明。また、イスラエル系カナダ人のチームオーナーも退任することとなり、体制を一新して再出発をはかります。
新しくメインスポンサーとなったNSNという会社ですが、ご存知の通り、イニエスタ氏が出資者として名を連ね、またイニエスタ氏のマネージメントを行っている会社でもあります。お騒がせな会社であることは確かです。先日も日本で開催を予定していたイベント「エル・クラシコレジェンズ」が開催5日前というタイミングで中止されています。
さらに、南米で開催を計画していたイベントに関連して、ペルーの実業家がNSNを提訴。さらにイニエスタ氏を刑事告訴しているとのことで、果たしてこれで大丈夫なのか・・・どうしても心配してしまいます。
2017年に「イスラエル・サイクリングアカデミー」として発足したチームは、翌2018年にイスラエルで開幕したジロ・デ・イタリアに出場。世界中の自転車ファンに向けてイスラエルの名前をアピールしました。いわば国策といってよいプロジェクトでしたが、国自体が紛争を起こしたとなると、その立場はどんどん危うくなっていきます。
夏に開催されたブエルタ・ア・エスパーニャでは抗議デモによりレースがたびたび中断させられました。個人的にはレースを妨害する行為には賛同しかねますが、チームの存在そのものが国際問題になってしまったことは否定できません。あやしい国からあやしい会社へ。方針転換はうまくいくのでしょうか。
ちょっと話はそれますが、ジロ・デ・イタリアについては今年限りで放映権を取り扱う代理店が交代することが決まっており、来年以降の放映権契約は白紙となっています。日本においてもJ SPORTSが継続できるかどうかは定かではありません。もっとも、競合はいなさそうなのでなんだかんだで決まりそうな気もしますが。
撤退した「GCN+」の権利を引き継ぐ形でレースの配信を行っている「Staylive Cycling」についても継続は不明です。今年まではGCNの親会社だったWBD(現在は売却)がグローバルで権利を持っていますが、来年以降どうなるのか。日本市場はグローバル契約によって生じた「おまけ」のようなものです。このあたりも新しい情報が入り次第、お伝えしていきます。
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