【速報】フジテレビがF1独占。新たに5年契約
フジテレビは、F1の放映権について2026年から独占契約を結んだと発表しました。2030年までの5年契約となります。今朝5時にプレスリリースが出ました。
1987年からF1全戦の放送を続けてきたフジテレビは、来年無事40周年を迎えることができます。一方で、2017年から参入していたDAZNは権利を失うことになります。
昨日発表されたFIFAワールドカップの放映権に続き、2日連続の大型契約です。不祥事により経営が危ぶまれていたフジテレビですが、一転して攻勢をかけてきました。
※F1公式からもプレスリリースが出ています
https://corp.formula1.com/fuji-tv-to-exclusively-broadcast-formula-1-in-japan-in-new-long-term-deal/
角田裕毅選手が来年のレギュラーシートを獲得できないことが発表されたばかりです。日本人ドライバーの有無は放映権交渉にとって大きな要素かと思われましたが、このタイミングで発表されるということは、それ以前にF1側と合意していたものとみられます。
広告収入は激減している状況ですが、有料放送(配信)についてはあまり関係ないとみることもできますし、傷ついた局のイメージを改善させるためにも、そして社内の結束を高めるためにも「フジテレビ=F1」のアイデンティティが求められたのでしょう。
アメリカで来年から権利を獲得するAppleが、将来的にグローバルでの権利を狙っている・・・という話が出ていましたが、F1側のリップサービス的な要素がおおいにありました。フジ側に決断を急がせるよいスパイスになったのではないかと。
今回の発表のポイントとしては、以下の通りとなります。
- 地上波でダイジェストを放送(最大5戦)
- FODでも全戦をライブ配信
- 「F1 TV Pro」「F1 TV Premium」が日本初上陸
従来はネットの権利がDAZNにあったため、フジテレビでのネット配信はCS放送の同時配信サービスである「フジテレビNEXTsmart」に限定されていました。今回は独占となったため、FODでも配信できることとなっています。
「F1 TV Pro」の取り扱いは今回の交渉においても重要な要素でしたが、FOD内のサービスとして組み込まれることとなりました。詳細は後日発表です。DAZNのみで配信されていたF2・F3についても、F1 TV Proで配信されることは確実ですが、それ以上のことについては現状わかっていません。
経営危機に端を発するフジテレビの改革において、FODの扱いにも注目されていました。清水社長は売却も選択肢であることを否定していませんでした。また、ドコモがフジが筆頭株主であるWOWOWに接触し、ストリーミングの再編を提案していたことも報じられています。
今回の発表を受け、FODの売却は当面なくなったとみてよさそうです。ただ、いいコンテンツを獲得したことを背景として、引き続き他のサービスとの合従連衡を探っていくことは充分考えられます。
料金ですが、フジテレビNEXTは月額1,980円、またFODも10月から値上げされていて月額1,320円となっています。976円の「広告付きライトコース」もありますが、これでF1も視聴できるかは明らかになっていませんので、正式発表をお待ちください。
F1獲得によって直ちに再度値上げが行われるとは考えにくいですが、中長期的には充分考えられるでしょう。「F1 TV Pro」は別料金になると考えられますが、FODとのセット料金はいくらになるのか、また単独でも加入できるかは気になる要素です。
最後にフジテレビの業績ですが、9月の中間決算では売上高が昨年のおよそ半分となる606億円、そのうちCM収入は190億円で昨年のおよそ1/4となっています。しかし、10月以降に復帰したスポンサーも多く、通年では前年の6割ほどに回復する見通しです。
FODを含むデジタル事業については有料会員が堅調に推移しており、増収と発表しています。10月からの値上げ、そして今回のF1獲得によってさらに大幅な増収が見込めそうです。もちろんコストも増えますが。
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