全員悪人? FIFAの40億ドル調達案にUEFA猛反発

FIFAは、ワールドカップなどの大会運営や商業権の管理を行う子会社を設立し、株式の最大21%を投資会社に売却する計画を発表しました。


新会社はFFE(FIFA Forward Enterprise)という名前になる予定で、企業価値は200億ドルにのぼると推定されます。21%の株式を売却すれば、最大で42億ドルが手に入ることになります。

この案に猛反発しているのが、FIFAとは犬猿の仲と言ってもよいUEFAです。FIFAの案がよいか悪いかという以前に、UEFAにとってはFIFAの拡大路線そのものがアウトです。UEFAはワールドカップのボイコットという強硬カードもちらつかせています。

FIFAのアドバイザーとして、投資銀行のJPモルガンがついているのも気に食わないところです。あの「欧州スーパーリーグ」計画にもJPモルガンがバックについていたとされ、UEFAにとっては天敵と言えましょう。


また、トランプ大統領の娘婿の弟にあたるジョシュア・クシュナー氏が率いる投資ファンドの名前も浮上しています。先のワールドカップでやりたい放題だったトランプ大統領の影がどうしてもちらつきます。

さらには、2024年までリバティ・メディアのCEOを務めていたグレッグ・マッフェイ氏の名前も浮上。言うまでもなくリバティ・メディアはF1の運営会社のオーナーであり、欧州発祥のスポーツであるF1をアメリカ式で大きく変えました。同じやり方をサッカーに持ち込まれては困る、というのが本音でしょう。

もっとも、UEFAにもアメリカ式のビジネスは着実に食い込んでいます。クラブコンペティションの代理店はアメリカのRelevent Sportsに変更されました。Relevant社は、現在入札が進んでいるナショナルコンペティションの代理店の候補にもなっています。


スーパーリーグ構想は跳ね返すことができましたが、プレミアリーグのクラブもアメリカ系オーナーが増えているのが現状です。勢力図はやがて塗り替えられそうです。

ちなみに、スポーツの運営団体が子会社を設立し、投資家を呼び込むことはここ数年ですっかり当たり前になってきました。代表的なのがCVCキャピタル・パートナーズで、サッカーだとラ・リーガやリーグアンに出資しています。


なので、この案自体が悪いとは言い切れないのですが、なにせ背景が黒すぎます。もちろん投資会社はリターンを求めてきますから、一時的にマネーが手に入っても、その後はあの手この手で回収せねばなりません。FIFAが得をしても、その皺寄せは必ず他のところにやってきます。そして、UEFAもまた利権争いの一員でしかありません。

2年前、ファンの猛反対により投資受け入れを断念したブンデスリーガにも、再度受け入れの動きが報じられています。プレミアリーグがさらに強くなるのであれば、他のリーグも追随せざるを得ません。火種はあちこちで燻っています。

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