問われる理念。WOWOW、17年目のラ・リーガ中継。
先日の記事でラ・リーガ2部(セグンダ)に所属するエルチェCFを紹介しましたが、ご存知の通り、今季からWOWOWがセグンダの放映権を獲得し、日本人選手(香川・岡崎・柴崎)が所属する3クラブの試合を放送・配信するようになりました。
しかし評判がよろしくない。今年1月からセグンダはYouTubeの公式チャンネルで全試合のライブ配信を行っており、放映権が売れたことによって日本からのアクセスがブロックされてしまったのです。
そもそも無料配信するのは放映権を買ってほしいからですし、売れたら購入者の利益を守るのは販売側の義務です。ブロックは通常の商取引の一部であり、なにも悪いことではありません。
しかし、先の3クラブのみならず、全11試合がブロックされてしまったためセグンダファンからは怒りを買うこととなってしまいました。
0→3なら喜ばれるけど、11→3では怒られる。それが人間の心理というもの。11試合すべて配信すれば、渋々でも課金する人はそれなりにいるでしょう。
※いちおうフォローしておくと、特定の試合だけを購入するという契約は通常ありませんし、特定の試合だけをブロックするという設定もまた難しいかと思われます。
また、放映権を買ったからには、日本語コメンタリー付きで見られるという期待はあって然り。しかし、実際には1試合しかコメンタリーが付かなかったのです。う~ん、これではYouTubeとほとんど変わらないぞ。
さらに、1部(プリメーラ)のファンからも不評の声が。5試合あった生中継の枠のうち、1試合がセグンダに割かれることになったのです。
もうこうなると誰が得してるのか。日本人の活躍を日本語コメンタリーで見たい人で、かつYouTubeで配信されていたことを知らない人、でしょうか……なんか苦しい。
WOWOWでのラ・リーガ中継は2003年から始まったと聞きます。今年で17年目です。正直最初は赤字だったでしょうし、いまだって儲かっているか分からない。
それでもヨーロッパのサッカーを、そしてスペインの風を届けようと努力してきた先人たちがいます。彼らが受け継いできた理念が忘れ去られようとしているのであれば、それはとても悲しいことです。
現在はDAZNで解説をされている小澤一郎さんのコラムを改めて貼り付けておきましょう。
このコラムでも触れられているのですが、ラ・リーガの放映権はスポナビライブ(ソフトバンク)が獲得しており、今シーズンで終了します。つまり、来シーズンに向けての獲得競争はもう始まっているのです。
WOWOWもDAZNもスカパーも手をあげる可能性がありますが、やはり不気味なのは楽天ですよね。NBAは楽天独占になりましたが、もしラ・リーガも楽天独占となれば、WOWOWの歴史はそこで止まりかねないのです。はっきり言って、もう崖っぷちなのです。
もっとも楽天にはとっとと「バルサTV」を獲ってこい、と言いたくなりますが(^-^;
DAZNが放映権を買えばよかったのでは?という話もあるですが、どうせ日本語コメンタリーは付かないでしょうから、買ってもしょうがないのではと。
手をあげたかどうかは分かりませんが、少なくとも高い金額を用意する気はなかった、ということです。そういう意味では身の丈をわきまえているとも言えます(^-^;
最後に久保選手の移籍について。これで5つの中継枠はバルサ・レアル・エイバル・マジョルカ。そしてセグンダから1試合持ってくるともう埋まっちゃいますね。
直接対決があれば空きが生じますが、限られた枠をどの試合に割り当てるかもセンスが問われます。日本人の出場機会が増えるのもまた厳しいものなんですね…
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