【詳報】FOXスポーツ&エンターテイメント、3月終了。

以前取り上げたニュースの詳報になりますが、押さえておきたいポイントや知っておきたい情報について、箇条書きに近いスタイルでお届けいたします。

このニュースについては本当にさまざまな視点が含まれており、福岡ソフトバンクという地方の一球団の話から、ディズニーという巨大帝国の話まで広がっていきます。
●ディズニーはFOXスポーツを買収していない

まずこの点を押さえるべきでしょう。ディズニーが買収したのはFOXのエンターテイメント部門であり、スポーツやニュース、またアメリカのテレビネットワークについては対象外です。

ディズニー傘下にはABCネットワークがあり、スポーツではESPNがあります。これらは今後も競合となります。

ですから、同様に終了する「Dlife」とは事情が異なるんですよね。そもそも論として、買収したエンターテイメントと買収してないスポーツが同じチャンネルに乗っていること自体に矛盾が生じていたのです。

逆にDlifeの終了理由についてはシンプルで、無料放送では採算がとれなかった。もしくは無料提供自体をやめることにしたということでしょう。
●日本におけるFOXスポーツの事業はソフトバンクの名残り

ソフトバンクの孫社長はFOXグループの創業者である「メディア王」ことルパート・マードック氏と親密な関係を築き、日本の放送業界に対してもさまざまな仕掛けを行ってきました。

まずテレビ朝日の株式を取得して業界をざわつかせると(後に朝日新聞社に売却)、次はイギリスのSkyを日本に持っていき「JスカイB」を設立します。
これは正式なサービス開始には至らず、先行するパーフェクTVと合併することを選びました。現在の「スカパー」は、スカイとパーフェクTVをあわせた名前です。

FOXスポーツジャパンはFOXとソフトバンクの合弁で設立された会社でしたが、2014年をもって番組提供を終了し、現在はFOXによる単独供給となっています。つまり、ソフトバンク戦を始めとするスポーツコンテンツはこの時からの名残りのようなもので、いつ切られてもおかしくなかったのです。
●パ・リーグはテレビ放映権を一括管理していない

パ・リーグ6球団の合弁会社であるPLM(パシフィックリーグマーケティング)が共同で管理している放映権は「ネット配信」および「海外向け」であり、国内のテレビ中継の権利については引き続き球団側にあります。

なので、ソフトバンクが来シーズンどの放送局と契約するかは球団側の意志によって決められます。
過去にも何回か移動はありましたから、今回もどこかが手をあげるでしょう。JSPORTSに戻るという線もあります。JSPORTSのルーツにはかつての「Sky Sports」も含まれますのでいわば腐れ縁ですね。
●FOXスポーツが保有するF1・ブンデスリーガの放映権は影響なし

FOXスポーツが日本で展開するにあたって取得した放映権というものがいくつかあります。FOXスポーツは東南アジアなど多くの国で放送事業を展開しており、放映権を購入する際にエリアとして日本を混ぜ込んじゃったのですね。

F1の放映権がフジテレビからFOXに移ったのは衝撃でした。結局FOXは自前で中継する体制を整えられず、フジにサブライセンスすることで決着しました。その後DAZNでの中継も始まりましたが、放送とネット配信で棲み分けをはかっているのでしょう。この状態は契約が残る2022年まで続きそうです。

もうひとつの目玉がブンデスリーガで、2019-20シーズン(すなわち今季)までの放映権を持っています。こちらは一時期放送していましたが、同様に断念しています。現在はスカパーが放送していますが、今季限りとなっていますので近々争奪戦になるでしょう。

ちなみに現在ブンデスの放映権はIMGが代理店となっていますが、IMGが販売している放映権は基本的に来シーズンまで。よって、次回の契約は異例の単年になる可能性があります。本筋からはそれますが、この点も密かな注目ポイントです。
●ディズニーは日本の衛星放送から直ちに撤退するわけではない

今回の発表タイミングは放送免許の返上にも関係しているかと思われます。2チャンネルともBSで放送しており、返上後に空いた帯域は他のチャンネルに利用される方向で進むはずです。

その一方で、ディズニー・チャンネルは標準画質からHD画質への変更を申請し、すでに認可を得ています。CSにもディズニーとFOXのチャンネルが多数存在しており、これらが直ちになくなるわけではありません。

あくまで「直ちに」という話ではありますが…
●日本での「Disney+」の開始時期は未発表

11/12にアメリカ・カナダ・オランダで開始されたOTTサービス「Disney+」は上々のスタートを切ったようです。ほぼ同時期の発表とあって、これを日本版Disney+の開始予告?と見る向きもあるようです。

実際にいつ開始されるかは発表されていませんので待たないといけませんが、現在いろいろな整理を行っていることは確かでしょう。衛星放送のチャンネル整理もその一貫です。

ドコモと組んで提供している「ディズニーデラックス」との兼ね合いや、日本では少数株主にとどまっているHuluの扱いなど、検討すべき点はいくつも思い浮かびます。
ディズニーの計画では2年以内にグローバル展開をめざしてるとのことですが、正式にスケジュールが発表されている国はまだ数えるほどです。

ただ、スポーツの文脈においては「ESPN+」が日本に上陸する可能性は極めて低いです。エンターテイメントは国境を越えますが、スポーツは国境を越えないのです…
いろいろと記しましたが、今後ディズニーがOTTに注力していくことは確かでしょうし、そこにはNetflixという巨大な敵が待ち構えています。
しかし、放送の時代がすぐ終わるわけでもありません。老若男女、すべての層に向けたコンテンツを保有するディズニーですから、どのコンテンツをどの媒体に投入するかは綿密な戦略のもとに決定されるでしょう。

いちおうスポーツ関連の記事として取り上げましたが、その実は世界の巨人たちによるエンターテイメントバトルです。作品の中のバトルも見応えがありますが、こちらのバトルもますます目が離せません。

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