DAZNブラジル値下げ & ゴルフネットワーク値上げ

DAZNブラジルのプレスリリースなのですが、サッカー・パラナ州選手権の独占放映権を獲得…って、なぜそっちを先に持ってくるの?

大事なのはその次で、1月から料金を月37.9レアルから19.9レアル(約540円)に値下げするという発表です。今年5月に正式ローンチしたブラジルですが、1年も経たずに方針転換となりました。
これまでDAZNは値上げしたことはありますが値下げは始めて。しかもほぼ半額。思いきった決断です。もちろん無謀というわけではなく、そこにはマーケティング調査の裏付けがあってのものと信じます。

DAZNブラジルが配信しているサッカーコンテンツとしては、ヨーロッパだとプレミア、セリエA、リーグ・アン。南米ではコパ・スダメリカーナなどがありますが、さすがブラジルと言いますか、サッカーを放送(配信)するメディアは多数ありますし、また国内リーグは州選手権と全国選手権の2本立てなので構造も複雑です。

そんな中で、ファーストチョイスに選ばれるのは難しいとしても、セカンド・サードチョイスに選ばれるための値下げなのかな…というのが筆者の予想です。契約できる有料サービスの数は限られているわけですから。

まぁ、そう考えると確かに州選手権の獲得を大きくアピールするのも気持ちは分かります。でも値下げより先なのはやはり解せん。
いっぽう日本からは、ゴルフネットワークが来年2月に月額1,980円を2,480円に値上げするとの発表が。なお、スカパーオンデマンドについては据え置きとのこと。

今年からPGAツアーの放映権を持つディスカバリーが自らのOTTサービス「GOLFTV」を開始。放映権契約の更新が済んだ国から順にサービスインする計画ですが、日本はたまたま最初の対象国となりました。

なので何かしらの契約更新があったことは確実なのですが、ネット配信を非独占化すること以上の条件は不明。また、GOLFTVの加入者数も不明なので、この件の影響を推定するのは難しいです。
オープンな資料によるとゴルフネットワークの視聴世帯数は約630万で、うちCATV経由が約560万。
ゴルフネットワークの親会社はJ:COMであり、J:COMのスタンダードプランにはゴルフネットワークが含まれていることを踏まえると、今回の値上げの影響を受けるのはスカパーなどでオプションとして契約している約70万人と考えられます。
単純に収支が悪化しているのかもしれませんけど、それ以上にJ:COM以外のプラットフォームに提供するコストが問題になっているのかも。
J:COM以外の視聴者に対しては自前の「ゴルフネットワークプラス」へも誘導を行ってますから、今回の値上げにはコンテンツをどのプラットフォーム経由で見せていくかという戦略のシフトが絡んでいそうです。

J:COMの親会社であるKDDIも最近いろいろと動きを見せていますので、あと数か月もすれば新たな戦略が見えてくるのでは。
スポーツではJSPORTSも傘下です。CATVと携帯電話のインフラも持っています。あとはこれらをどう活かすか。お手並み拝見といったところでしょうか。

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