ブンデス国内放映権の入札開始。決着は4月。
ブンデスリーガでは投資ファンドからの出資受け入れに対してサポーターの抗議行動が続いている状況ですが、次期放映権サイクル(2025-26シーズンから4年)に向けての入札も今後始まっていきます。
先日、ドイツ国内や周辺のドイツ語圏を対象としたITT(Invitation to Tender)が発行されています。ドイツ語だけでなく英語版もありますので読みやすいものと思います。入札は4月中旬に実施予定とのことです。
1部・2部の全試合とスーパーカップ、昇格プレーオフが対象となっており、全部で7個のパッケージに分割されています。これは現在と変わりありませんが、金曜夜の試合がパッケージD→Bに移動しています。
またもうひとつの変化として、従来は1社独占が禁止されていましたが、ドイツ当局の承認を経てその条項が撤廃されています。もっとも、実際に独占されることはなさそうですが。
ちなみに下図の"conference"とは、複数の試合を切り替えながら放送するスタイルのことであり、日本だと「Jリーグゾーン」のような番組だと考えればよいでしょう。
入札の細かいプロセスも資料に記載されており、おおいに参考になります。入札が成立するためには、リーグ側の希望価格を満たし、かつ2番目に提示された価格を20%超上回る必要があります。
また、1回目の入札が不成立の場合、同じ日に2回目の入札を実施。それでも不成立の場合、リーグ側が落札者を決定することになっています。不本意な入札結果となった場合には、後日個別交渉になることも考えられます。昨年イタリアやフランスではそうなっており、フランスでは現在でも交渉中です。
前回の入札では、Sky DeutschlandがA,B,C,F,Gと5個のパッケージを落札。DAZNはパッケージDを落札しています。また、無料放送が対象のパッケージEは民放局のProSiebenとなりました。
上記の通り、金曜夜の試合がD→Bに移動したため、DAZNにとってはこのままだと試合数が減ることになります。おそらくリーグ側は追加での入札を促したいのでしょうけど、DAZNがその手に乗るかどうかがひとつの見どころとなります。
SkyとDAZN以外のプレイヤーとしては、欧州CLの権利をDAZNとともに保有するAmazonや、かつてブンデスの権利を持っていたこともあるTNT Sports(ユーロスポーツ改め)、そして昨年8月にサービスを開始した「Dyn」などがあげられます。
Dynはドイツ国内資本のスポーツ系プラットフォームとして新規参入を果たし、バスケットボール・ハンドボール・卓球などを配信していますが、サッカーについては権利を持っていません。
サービス開始直後のコメントでは、ブンデスリーガの入札には関心がないとしています。当面は地道に足元を固めていくというところでしょうか。ただし、ハンドボールについてはDAZNからサブライセンスの提供を受けていたりしますので、今後さらに関係を深めていくシナリオもあり得るでしょう。
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