WBD、ストリーミングの黒字転換でNBA更新に意欲。
ワーナーブラザーズ・ディスカバリー(WBD)が発表した2023年度の決算は、主にストリーミングサービスを意味するDTC(Direct To Consumer)部門が1億300万ドルの黒字となり、赤字体質からの脱却を果たしました。
アメリカではHBO Maxとdiscovery+を「Max」に統合。「GOLF TV」や「GCN+」さらには「CNN+」といった周辺のサービスも終了させました。スポーツはMax内に「B/R Sports」というアドオンを提供しています。集約によるコスト削減が功を奏した形です。
その一方で、WBD全体では第四四半期に4億ドルの赤字を計上しており、株価は下落したとのことです。
スポーツ事業については、昨年RSNの「AT&T Sports Network」を終了させたことでさらなるコスト削減が見込まれます。現在無料で提供中の「B/R Sports」も有料化される予定です。また、ディズニー・FOXとの3社連合による新たなスポーツストリーミングサービスの計画が発表されており、これらが売上に貢献してくるでしょう。
まもなく、NBAのアメリカ国内における次期放映権(2025-26シーズンから)の交渉が始まる予定です。現在権利を持っているWBD傘下のTNT SportsとESPNには45日間の優先交渉権があり、3月上旬~4月下旬にかけて交渉が行われるそうです。もし妥結しなければ、他の企業との交渉が解禁されます。
これまでWBDは更新について消極的な姿勢とみられてきましたが、ストリーミング事業が好転したことにともない、更新に意欲を示す発言も出てきています。
TNTとESPNが現在支払っている放映権料は年間で26~27億ドルと推定され、TNTは12億ドル程度とみられています。NBA側は大幅な増額を要求する見込みで、現在の2倍以上にはなりそう。中には3倍という見方を示すメディアもあります。
実際のところ、優先交渉でまとまることは考えにくいです。先の3社連合の新サービスもすんなり許可が出そうな状況ではなく、市場の変化が読めない状況です。ですから、噂されているAmazonなどを交えた条件闘争になるものと予測されます。
黒字が出たら出たですぐ剝がされるわけですから、なんとも大変なビジネスです。そして、最終的にそれらを負担するのはファンであることは言うまでもありません。
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