DAZNがNZに進出。欧州CL/ELの権利獲得。
DAZNがニュージーランドにおける欧州CL/ELなどの放映権を獲得したと発表しています。2024-25シーズンから3年契約です。
現在のDAZNはグローバルでサービス展開しており、グローバル向けに獲得したコンテンツを配信していますが、今回の発表は事実上ニュージーランド市場への新規参入であるととらえてよいでしょう。
これに合わせて新たな料金も発表しており、月額14.99NZドル(約1,320円)、年間で149.99ドルとなります。
ニュージーランドのスポーツ中継は、Sky Sportsと大手通信会社のSparkが激しい競争を繰り広げてきましたが、昨年Sparkが撤退。Sparkの持つ放映権は、その多くが公共放送のTVNZに移管されています。欧州CL/ELなどの放映権もSparkが保有していましたが、こちらはbeIN Sportsが引き継いでいたとのことです。
DAZNは新たなチャレンジャーとして参入することになるわけですが、まずはSkyと真っ向から競合するのではなく、無料放送となっているTVNZのコンテンツでもないところを選んできたことになります。ファンの反発をなるべく抑えるための戦略と言えそうです。
英語圏であることはメリットですが、人口がさほど多くないニュージーランド市場で今後どんな展開を見せるのか。オーストラリアへの進出を狙っているのか。それとも本場であるラグビーのコンテンツを狙っていくのか。いずれにせよ簡単な道のりではありません。
ラグビーについては、Skyがニュージーランド協会と結んでいる放映権契約が2025年に終了し、更新が難航しているとも報じられています。この隙に入り込んでくる可能性は充分ありそうです。
話をAPAC(アジア太平洋)にまで広げると、DAZNが進出しているのは日本と、旧Eleven Sportsが進出していた台湾にとどまります。とくに東南アジアは鬼門であり、かつてタイやフィリピンなどで欧州CLの権利を持っていましたが、サービスインできずに手放しています。この際、日本向けの権利もセットでなくなってしまったことは記憶に新しいところです。
今年2月、DAZN日本支社のCEOに就任した笹本裕氏は、あわせて「アジア事業開発」という肩書が付いており、APAC市場への拡大もミッションとしています。ですから、今回の発表は笹本氏の仕事であると考えられます。今後の手腕を見ていきたいところです。
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