ブンデス国内放映権、9月に判決か。
ブンデスリーガのドイツ国内における次期放映権(2025-26シーズンから4年間)をめぐって、DAZNがリーグを運営するDFLを提訴している件について、9月中にも判決が出る見込みと報じられています。
今年4月に1回目の入札が行われましたが、7個あるパッケージの中のひとつ「パッケージB」の結果に対してDAZNが異議を申し立てています。このため、入札は中断されており、現時点で他のパッケージも含めて落札者が発表されていません。
この話題については以前も記事にしているので、こちらを参照して頂ければ幸いです。
今回の入札では、1回目の入札で最高額を提示した業者が、2番目の提示額を20%以上上回った場合はその時点で落札。そうでない場合は2回目の入札を行うと定められていました。DAZNはパッケージBに対して16億ユーロで入札。次点はSkyで13億ユーロと報じられており、それが正しければ1回目でDAZNの落札となるはずでした。
しかし、DFLはDAZNに対して24時間以内に銀行保証を要求。DAZN側は出すことができず、替わりに親会社(Access Industries)が保証する旨の文書を提出したとのことですが、これが認められなかったとされています。
いずれにせよ早期の決着が望まれるところですが、DFLが勝訴し、DAZNが控訴する展開になるとさらに長引くことになります。
この問題が長引くと、日本も含む国外への放映権販売にも影響が生じることになります。今シーズンはセリエA、そしてリーグ・アンが国内での決着が遅れたため、国外にも影響が出ています。
宇都宮徹壱氏の著書『異端のチェアマン 村井満、Jリーグ再建の真実』では、JリーグがDAZN(当時はPerform Group)と放映権契約を結ぶ際の内幕が描かれていますが、その中に「DAZNが経営破綻するリスクに備え、債務保証をつける交渉を行った」という記述があります。
こちらもおそらく親会社が保証する約束をとりつけたものと思われますが、まだ具体的なサービスが始まる前だったDAZNに信頼がないのは当然のこと。しかし、現在になっても巨額の累積赤字を抱えるDAZNは信頼を得られていません。
ちなみに、DAZNとDFLが完全に険悪になったというわけではなく、DAZNは今シーズンまでブンデスリーガの権利を保有していますし、スペインでも新たに権利を獲得しています。それとこれとは話は別。現場は現場で進んでいきます。
DAZNはフランスでもリーグ・アンの放映権で議論を呼んでますが、新規獲得のリーグ・アンとは違って、ブンデスリーガはすでに権利者なのですから、さすがに無謀な金額を突っ込んだりはしないでしょう。ただ、少なくともDFLがDAZNの財政状況を大きく気にしていることは分かります。
DAZNもそろそろ単年度で黒字転換するのでは・・・と言われていますが、もっと積極的に情報開示を行い、今後の見通しを示すことが求められます。そうでないと、今後は大型案件の投資が難しくなっていくでしよう。
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