FIFA会長、クラブW杯の売行不調で緊急会議。
FIFAのインファンティーノ会長が、世界各国の放送局と緊急会合を開いたと報じられています。来年新たなフォーマットで開催されるクラブワールドカップの放映権販売が不調であることが理由で、改めて大会の価値をアピールする目的があります。
2025年6月15日~7月13日にアメリカで開催するということは決まっていますが、まだ具体的な日程が発表されていないというのは異常事態です。
今年4月には、Appleがグローバルで放映権を獲得するという報道が出ていたのですが、6月に入って破談したと伝えられています。Appleの提示額は10億ドル程度だったのに対し、FIFAの目標は40億ドルと大きな開きがありました。
Appleとの破談により、FIFAは従来通り、各国で放映権の入札を行うこととしました。2025年および2029年の大会を対象とし、まず第1弾として南北アメリカ・アジア・MENA(中東&北アフリカ)の各国で入札を開始。締め切りは8月20日に設定されていましたので、一部の国ではすでに落札者が決まっていてもよいのですが、現時点で正式に契約が発表されたところはないとのこと。
開催国であるアメリカの放送局も関心が薄く、アメリカ国内での放映権料は高くても3,000万ドルという厳しい評価が下されているとのこと。Appleとの交渉が続いていたことから、アメリカの他の放送局との話は進んでおらず、出遅れ感は半端ないです。
放映権料が確保できなければ、当初計画していた高額賞金を確保することもできませんので、過密日程に反対する欧州のクラブ・選手の中から出場辞退を検討するところも出てきそうです。このまま不調が続けば、アメリカでの開催も危うくなり、最悪大会自体がなくなる可能性も現実味を帯びてきます。
サッカー界においてはFIFA、UEFA、そして各国のリーグが放映権料の増加をめざし、新たな大会を増やしてきました。際限なき拡大はどこかで止まります。そして、誰かが割を食うことになるのです。
FIFAももちろんただでは転びません。今年に入ってサウジアラビアの石油会社「アラムコ」とスポンサー契約を結び、そして「FIFA+」の拡張を名目に掲げ、20億ドル規模の資金調達をめざしています。クラブワールドカップについても、さらにその先に開催される大会についても、FIFA+を通じて直接販売するモデルが検討されるものと推測されます。
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