【速報】DAZN、サウジとの提携強化。10億ドル調達か?

相変わらずプライベートが多忙でお休みを頂いておりますが、取り急ぎ以下の記事が出ておりますので簡単に取り上げることとします。


ロイターの報道によると、DAZNがサウジアラビアの政府系投資ファンド・PIFから出資を受け、株式の約10%を10億ドルで取得する方向であると報じています。


【追記 10/12】PIFは声明を出し、DAZNとは協議していないと報道を否定しています。

この件については昨年12月に報じられているため既出なのですが、サウジが最有力候補になったというのが新しい情報です。

当時は投資ファンドなども候補にあがっていました。今回の記事でも3つの投資ファンドと交渉しているという内容が書かれています。


最近のDAZNは、サウジが支援する「リヤド・シーズン」と呼ばれるスポーツの興行を積極的に配信してきた経緯があり、サウジの名前が浮上するのはごく自然なことです。当ブログでも何度となく触れてきました。

株式の10%を10億ドルで購入するとなると、DAZNの価値を総額100億ドルと評価していることになります。DAZNの最新の株主リストによると、約11億株が発行されていますので、PIFが購入するのは約1.1億株。1株当たり約9ドルの値段がつくことになります。


もちろんサウジマネーが入ることのリスクはあるのですが、赤字体質がずっと続いてきたDAZNにとっては、入ったお金がそのまま赤字として出ていくという状態では意味がありません。外部のマネーを受け入れるということは、少なくとも黒字化にめどが立ったのだと理解したいところです。

投資ファンド以外の候補としては、カタール投資庁(QSI)がありました。かつて、DAZNは赤字に苦しむ中で、同じカタール資本のbeIN Sportsに買収を持ちかけたという報道があります。


また、今シーズンからリーグ・アンのフランス国内における放映権をbeIN Sportsとともに購入しています。カタールとサウジはかつて国交断絶に至ったレベルで仲が悪く、またbeIN Sportsはサウジが支援しているとされる海賊放送に悩まされた過去があります。ということで、もし正式に決定すれば、フランスで摩擦が発生することも想定されます。

この報道についてDAZNはとくにコメントを発していませんが、同日にDAZNはリヤド・シーズンとの新たなパートナーシップを発表しています。複数年契約で、DAZNはリヤド・シーズンの興行をグローバルに配信。MENA(中東・北アフリカ)以外は独占となります。

さらなる展開としては、FIFAが20億ドルの資金調達を計画している話とつながっていきます。「FIFA+」の強化が理由とのことですが、FIFA+は以前DAZNが買収したEleven Sports(さらにさかのぼるとmycujoo)が支援しており、そこにもしサウジの資金が投入されることになれば、DAZNとサウジ連合がFIFAに食い込んでいくというシナリオができあがります。


私が記事を書いた時も、かなり陰謀論めいた話だなぁ・・・と思っていたのですが、ここに来て現実味を帯びてきました。放映権料が天井に近づいている中で、新たな活路となるのでしょうか。

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