仏当局、リーグ・アン違法視聴対策に躍起。

フランスの放送・通信を管轄する政府機関であるARCOMは、10月27日に開催されたリーグ・アン、マルセイユvs.PSG戦において違法配信の大規模な取り締まりを実施。試合開始までに342の違法配信サイトをブロックしたとのこと。ARCOMは今シーズン開始から、あわせて1200を超えるサイトをブロックしているそうです。

しかし、違法な手段による視聴は後を絶たず、リーグ・アンの主催者であるLFPの調査では、この試合の視聴者のうち55%が違法視聴だったとしています。また、今シーズンを通じても視聴者数の37%が違法視聴だとのこと。


ARCOMもブロックに力を入れているものの、最近では匿名性の高いTelegramなどの登場によって取り締まりには限界があります。ARCOMのレポートでは、違法視聴によってフランスのスポーツ界全体で年間2.9億ユーロの損失が生じていると試算しています。

今シーズンからリーグ・アンの放映権を獲得したのはDAZN(毎節8試合)とbeIN Sports(毎節1試合)ですが、前者の料金は月額39.99ユーロ(年間契約で29.99ユーロ)、後者は月額15ユーロで、全試合を視聴するには相当な出費となります。さらに欧州CLはCanal+ですから、ますます負担が増えていきます。


料金が高いから違法視聴が増えるんだ、という理屈も分かりますが、安くしたからと言って劇的に減るという保証もありません。もともと払う気のない人は、たとえ半額になっても払わないでしょう。フランスだけでなく、各国が強調して取り組む必要があります。対策が進んでいけば、DAZNの料金もちょこっと下がるかもしれません。

先日、DAZN Japanの笹本CEOのインタビュー記事を取り上げましたが、その中で強調されていたのが「収益源の多角化」です。広告収入も含め、サブスク以外での収入を増やすことによって、ライト層からヘビー層までコンテンツを届けることができるというものです。


改めて読み返すと、これって一向に違法視聴が減らないことへの抵抗なのかもしれません。正規料金を支払っているユーザーがきちんと報われるよう、当局も企業もより一層の努力が必要です。そうでなければ、サブスクのビジネスモデル自体が壊れていくことになります。

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