サウジのDAZN出資が大詰め。10億ドル超か。
サウジの政府系ファンドによるDAZNへの投資話ですが、いよいよ交渉が大詰めに入ったと報じられています。早ければ今月中にも正式発表されるのでは、とのこと。
DAZNの時価総額は約100億ドルと評価されており、株式の10%程度を取得する方向とのことで、投資額は10億ドル以上が見込まれています。
そこまでは既報の通りなのですが、今回の新しい情報としては、出資元がPIFではなく、その傘下のファンドであるSURJ Sports Investmentsになりそうだということです。SURJの名前は、先月発表されたDAZNによるFoxtelの買収でもちらっと出てきました。
Foxtelの買収は株式交換が含まれるため、DAZNが現金で支払う金額はそこまで多くないようですが、それでも数億ドルの規模になりますので、バックとなる資金は気になります。
また、SURJは1月13日、アメリカのEnfield Investment Partnersと提携したことを発表しています。Enfieldはアメリカを拠点とする40億ドル規模のファンドを立ち上げ、SURJとともに投資先を選定します。
Enfiledを率いるJake Silverstein氏は、イングランド2部のスウォンジーや、MLSのD.C.ユナイテッドの共同オーナーを務めている人物です。この件がDAZNとの話に直接関係しているかどうかは不明ですが、アメリカとのパイプが深まることは重要です。
DAZNは昨年12月、今年アメリカで開催されるFIFAクラブワールドカップの放映権を獲得し、グローバルで全試合を無料配信すると発表しています。
この放映権料も10億ドル程度と報じられており、背後にサウジからの資金の影がちらついていたのですが、ここ最近のニュースをつなげて見ていくことで、だいぶその姿が浮かんできたと言ってもよさそうです。
DAZNが10億ドル規模の資金調達をする、という話が最初に報じられたのは2023年12月のことで、1年以上が経過しました。その1年間でDAZNの財務がどこまで改善されているのかも注目ポイントです。さすがに赤字を垂れ流し続ける企業に対して、その赤字を補填するためだけに投資するところなどありません。それなりの裏付けがあって然りです。
そのうえで、未来の収益確保に向けた攻めの姿勢が望まれます。クラブワールドカップやFoxtelの話はその一環と言ってよいかと思います。
0コメント