フジテレビ問題、スポーツ界への影響まとめ

フジテレビのガバナンス欠如に関する問題がどんどん拡大しております。10時間を超えた記者会見は攻守ともどもぐだぐだに終わり、また週刊文春が記事の内容を一部修正するといった出来事もあり、事態はどっちに転ぶのか予測が大変難しくなっています。


ただ、少なくとも第三者による調査委員会の報告書が出てくる3月末まではスポンサーの撤退が収まる気配はなく、もしそこで収束したとしても、4月以降のセールスが止まっている状態ですから、完全に回復するまではさらに数か月を要するものと考えられます。


当ブログとしてはスポーツ中継に与える影響について特化していきます。ここではフジテレビが関与している大会についてまとめていきます。今後随時更新予定です。


これらは、フジテレビが主催者として名を連ねていたり、主催者ではないものの映像制作に関わっている大会もあり、それぞれ状況が異なりますので、ケースバイケースで判断していく必要があると思われます。当ブログでも経験していない問題ですので、過去の事例は全然当てはまらない可能性があります。戦々恐々です。

競馬中継 (毎週日曜)

すでに「みんなのKEIBA」などでJRAのCMが取り止められていますが、中継そのものは現時点で続いています。

フジが放映権を買っているというものではなく、逆にJRAが放送枠を確保して行われている中継であり、判断はJRAに委ねられます。ただ、関東での中継がなくなれば代替手段は限られており、簡単に調整できるものではないでしょう。


【追記 1/29】

3月16日には「フジテレビ賞スプリングステークス」が開催される予定ですが、今年限りで冠が外れる可能性は高そうです。JRAの重賞レースに冠される社名は「寄贈賞」と呼ばれるもので、優勝カップなどの品物を提供していますが、賞金はJRAの負担です。

大阪国際女子マラソン (1月26日開催済み)

系列局である関西テレビが主催に名を連ねている大会です。フジテレビは番組制作に協力していますが、基本的にネットワークで受けている形です。

冠スポンサーである奥村組のCMは流されましたが、その他はACジャパンへの差し替えが目立ちました。奥村組としても、年に一度の晴れ舞台とも言えるイベントの直前にこんな事態となり、困惑しているものと思われます。


日本大相撲トーナメント (2月9日)

フジテレビが主催として名を連ねている大会です。

すでにスポンサー3社の撤退が報じられていますが、主催者の責任として開催中止はないでしょうし、中継もあるものと考えられます。おそらく赤字になるでしょうが、フジが引き受けざるを得ない状態です。


【追記 1/30】

フジテレビでの放送が取り止めになりました。中止ではなく、内容を一部変更のうえ開催するとのことです。

https://www.grandsumo.jp/release_250130.pdf


フィギュアスケート四大陸選手権 (2月18~23日)

ISU(国際スケート連盟)主催の大会であり、フジテレビは放映権を購入している関係です。

日本のテレビ局が支払う放映権料はISUの財政を支えており、ISUとしては他に同等以上の金額を支払う業者がない限り、自ら解除に動けば相当なダメージを負う状況ですので、現状では考えにくいシナリオです。

世界選手権(3月24~30日)についても同様です。


東京マラソン (3月2日)

フジテレビは「共催」として名を連ねていますが、放映権は日本テレビとフジテレビが隔年となっており、今年は日本テレビが担当のため直接的な影響はなさそうです。


名古屋ウィメンズマラソン (3月9日)

主催は日本陸上競技連盟と中日新聞社であり、フジテレビ、および系列局の東海テレビは放映権を購入している立場です。この契約をどうするかは主催者に委ねられます。


F1 (3月14日開幕)

フジテレビは放映権を購入している関係で、映像もF1公式のものを使っています。

主催者としては単なるお客様であり、一方的に契約を切ることは少なくとも当ブログを数年運営し続けてきた筆者の経験としては考えにくいです。主催者が高い人権意識をもって契約を解除する事態となれば、時代は大きく変化したと言えるでしょう。

今年で3年契約が切れるため、来年以降の更新についてはかなりの逆風と言えます。


【追記 2/10】

今年のF1中継についてプレスリリースが出ました。中継は維持されます。

また、スーパーフォーミュラをFODで配信することもあわせて発表されました。

Jリーグ・YBCルヴァンカップ (3月20日開幕)

Jリーグの理事会によって対応が協議されたと報じられています。

フジテレビが放映権を持ち、スカパーにサブライセンスしています。スカパーにもフジテレビが出資している関係なので、フジだけを止めてもお茶を濁したと言われるかもしれません。

また、映像制作にもフジテレビおよび系列局が関与しているため、もしフジを外すのであれば、リーグ戦と同様にJリーグが直接制作会社に発注するよう契約を書き換える必要があります。それらの準備が開幕までに間に合うのかどうか。

地上波での放送は決勝戦のみなので、それまでは暫定的な措置として、フジテレビ(およびスカパー)を外すといったことは考えられるでしょう。

埼玉西武ライオンズ主催試合 (3月28日~)

CSで放送されていますが、ヤクルトとは異なり球団側で映像制作を行っており、著作権も球団管理となっています。もし移行するとしても、ヤクルトよりはスムーズです。

ただ、この時点でチャンネルを変更することになれば、外部との調整が大変です。「スカパー!プロ野球セット」の中身をいまから変えるとか、到底無理なように感じますが・・・


東京ヤクルトスワローズ主催試合 (4月1日~)

以前にも書いた通り、ヤクルト本社はフジテレビの大株主であり、またヤクルト球団にはフジテレビが20%出資している関係です。この関係を見直す事態にまで発展するのでしょうか。

映像制作はフジがガチガチに入っており、これをいまから変えるというのは到底無理なことです。2月にはキャンプが始まり、キャンプ中継やオープン戦の中継も予定されています。今シーズンの途中で大きな動きが出るとは考えにくいです。

フジサンケイレディスクラシック (4月19~21日)

フジテレビ、および傘下のBSフジが主催として名を連ねています。いったん冠を下ろすことは充分に考えられるところです。

放映権についてはJLPGAの一括管理に移行しているため、JLPGAの裁量になるかと思われます。公式映像については外部の制作会社を入れているので問題ないでしょう。テレビ中継については、地元の系列局であるテレビ静岡が後援に入っていますので、こちらを前面に出すのではと。

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