【速報】欧州CLの代理店交代へ。創設以来の関係に終止符。

UEFAとECA(欧州クラブ協会)の合弁会社であるUC3は、2027-28シーズン以降のUEFA主催りクラブコンペティションの代理店として、アメリカのRelevent Sports社と独占的な交渉期間に入ったことを明らかにしました。

欧州CLは1992年、UEFAとスイスの代理店・TEAM Marketingによって、従来の大会をリニューアルする形で開始。以後30年以上に渡ってTEAM Marketingが代理店を担当してきました。30年以上にわたる蜜月関係がついに終了します。


TEAM社は、FIFAの代理店だったISL社の初代社長が離脱して作った会社であり、現在も続くFIFAとUEFAの対立関係をもたらしたとも言えます。このへんの経緯については『電通とFIFA』などの本を参照して頂くのがよいでしょう。

話は4年前、2021年にさかのぼります。ビッグクラブたちはUEFAに不満を募らせており、ついに「スーパーリーグ構想」によって反乱を起こします。この反乱はすぐに鎮められましたが、UEFAとしても透明性を高める必要に迫られ、2024-25シーズン以降の代理店について入札を導入することとなりました。


この時はさすがにTEAM社が外れることはないだろうと正直思っていたのです。出来レースでTEAM社にまた決まるだろうし、単なるガス抜きにしかならないだろうと。

しかし、ふたを開けてみると意外な結果が。アメリカ市場のみに限定という形ではありますが、Relevent社が新規参入を果たしたのです。2026年のワールドカップ、そしてそれ以降を睨み、UEFAとしても成長の限界を打破するために新たな力を求めることになりました。


Relevent社はプレミアリーグやラ・リーガとの関係を築き、オフシーズンにはアメリカで試合を開催しています。次の野望としては公式戦の開催ですが、そのためにFIFAを訴え、和解を勝ち取っています。この流れから鑑みて、UEFAも欧州CLやEL、あるいはスーパーカップをアメリカでも開催したいと考えているようです。

こうなるとTEAM社は大変です。もともとUEFAの専属代理店的な位置づけだっただけに、多くの従業員を解雇せざるを得なくなります。


Relevent社に一部の権利を奪われて以来、UEFA専属を脱するためにいくつかの取り組みを進めてきました。自国スイスのサッカーリーグの代理店になったり、最近ではテニスのデビスカップの権利も取り扱っています。しかし、さすがに全部なくなるとは思ってなかったのでは。

TEAM社は、UC3の発表を受けて声明を出しています。失望しているが、これまで35年間に渡り行ってきた仕事に誇りを持っている。残りの契約期間を責任をもって全うするとコメントしています。

UEFAが公表している2023-24シーズンの報告書によると、クラブコンペティション(CL/EL/UCL/スーパーカップ)の収入は放映権料が3シーズン合計92億ユーロ、スポンサー料が16億ユーロです。2024-25シーズンからはCL/ELの参加クラブ数を拡大し、試合数も増やしたことでさらなる増収が見込まれています。これがTEAMのなし遂げてきた仕事です。


もちろん、これには功罪があります。過密日程の問題や、先にも述べたFIFAとの対立関係をどう解決していくか。Relevent社の手腕が問われます。

【追記】

改めて過去の記事を読み返してみると、Relevent Sports社の名前を結構ミススペルしていることに気づきました。Relevantとか、Relaventとか・・・。過去にさかのぼって修正しておかねばいけませんね。お恥ずかしい。

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