【速報】ESPNがMLB放映権のオプトアウト行使。

ESPNは、今年限りでMLBとの放映権契約を解除できるオプトアウト条項を行使しました。これにより、ESPNによるMLB中継は今年限りで終了することが決定しました。1990年に始まった中継は36年間でピリオドとなります。

この件については以前も触れており、ESPNが行使する見込みであることも示していましたので、想定通りのことが起こったわけですが、それでも衝撃は大きいですね。


現在の契約は2022年から7年間、年間5.5億ドルというものですが、それに見合った価値をESPN側は感じておらず、MLB側としては値下げの要求に応じるつもりはないと再交渉を拒否した形です。また、MLB側はESPNの報道量が少ないと不満を漏らしていたようです。

ということで、問題はこの先どうなるかという話なのですが、新たな入札者がいる限りはMLBも強気になれます。いわゆる4大ネットワークでは、現在FOXと契約を結んでいます。ESPNと同じディズニー傘下のABCを除き、残るNBCとCBSが交渉相手となります。


この2社の比較では、来シーズンから新たにNBAの権利を獲得したNBCのほうが有力ではないかとのことです。NBAとシーズンが異なるスポーツを埋めておきたいということですね。

昨年、破綻処理が終了したFanDuel Sports Network(旧Bally Sports)と提携を発表したAmazonも有力候補です。Amazonは先日、正式にFanDuel Sportsのチャンネルを開設したとのことで、まずは今シーズンから一部の地域でMLBの試合を配信します。


また、もはやどこにでも顔が出てくるのですが、Netflixの名前をあげるメディアもあります。なにせ資金力があるので、その気になればどこでも買えそうな気がします。どこが手を上げるにせよ、ESPNが支払っていた年5.5億ドルを上回るかが今後の鍵です。ただ、今回傷がついてしまったわけですから、どこも安く手に入れたいのではないかと。

ESPN以外の全米中継の契約についても、2028年ですべて満了を迎えます。そのため、2029年には大シャッフルが起こる可能性があります。FanDuel Sportsが契約しているローカル放映権も2028年までにすべて区切りを迎えるということもあり、MLBとしてはローカルも含めた一括管理に移行することを目論んでいるともされます。

ESPNもこの先は大変です。秋には自ら運営するストリーミングサービス"Flagship"を開始する予定です。先に出てきたNBCと同様にNBAの放映権を持っていますが、シーズンのすき間を埋めるコンテンツが必要になってきます。


最近ではF1の来年以降の放映権争いから脱落したと報じられており、またボクシング・トップランクとの契約も満了する見込みです。ESPNは、CATVに入っていたからなんとなく観るのではなく、視聴者が能動的に観るメディアに脱皮していく必要があります。

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