来季NBAの行方は? WOWOWは終了を発表。

いよいよファイナルが始まったNBAですが、WOWOWは今シーズンをもって放送を終了すると発表しています。

2017-18シーズンから楽天がNBAの放映権を獲得。初年度はWOWOWにもサブライセンスされましたが、翌2018-19シーズンから放送が消滅しています。しかし、楽天の運営方針が変わり、2023-24シーズンからサブライセンスが復活していました。

楽天は2017年に5年契約を結んでいます。放映権料は5年総額2.25億ドル(1年あたり4,500万ドル)とされています。2022年には契約を延長していますが、放映権料は若干下がったとも報じられています。


2023-24シーズンには大幅な値上げを敢行する一方、楽天モバイルの契約者に対して無料でNBAを視聴できるようにしました。大幅赤字で苦しんでいるとされる楽天モバイルのテコ入れ材料に使われた形です。WOWOWへのサブライセンスは、楽天モバイルへの導線という意味合いもありますし、楽天モバイルに入りたくない人への救済策といった意味合いもあるでしょうか。

楽天の現在の契約については年数が明らかにされていませんが、Amazonが来シーズンからNBAの配信を行うと発表しており、おそらく今シーズン限りだろうと思われていました。WOWOWとのサブライセンス契約終了は、それをさらに裏付ける材料となります。


Amazonの放映権は、来シーズンから始まる11年契約に基づくもので、アメリカ本国を含むグローバルを対象としているのが大きな特徴です。レギュラーシーズン66試合とプレーオフの一部を配信するほか、これまで日本では楽天が独占的に販売してきた「NBA League Pass」についてもグローバルで販売権を獲得しました。WNBAについても配信予定です。

Amazonが配信すると発表している試合以外については、まだ決まったわけではありません。ディズニー(ABC/ESPN)も、アジアとヨーロッパの一部の市場で権利を獲得しており、Disney+を通じて配信するとしています。日本がこの市場に含まれているかは定かではありません。アメリカ本国ではレギュラーシーズン80試合やファイナルも対象となっていますが、海外でも同様なのかは確かではありません。


海外ではすでにDisney+でスポーツのライブ配信を行っている例がありますが、日本のDisney+ではまだ行われていません。もし日本が市場に含まれているとすれば、NBAをきっかけに日本でもライブ配信が始まるかもしれません。もしくは、このパッケージをまるごと他社にライセンスする可能性もあるでしょう。


これらを合わせても全試合をカバーしているわけではなく、他のパッケージが日本市場に販売される可能性も残されています。その場合には楽天が引き続き獲得することも充分考えられる状況です。「NBA League Pass」についてもまだ販売終了が決まったわけではありませんので、続報をお待ちください。

NBAの件も含め、これまで楽天モバイルはなりふり構わぬ契約獲得作戦を繰り広げてきました。その甲斐あってか、先月発表された決算では初めて四半期ベースで黒字を達成したとしています。


楽天にとってNBAの放映権料はずっと赤字だったと思いますが、権利がなくなればその分のコストは浮くことになります。NBA目当ての契約者の離反を見込んだとしても、結果的にはプラスに働きそうですし、だとすれば無理に引き留める必要はなさそうです。

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