サッカーキング編集長 vs. DAZN笹本CEO

「サッカーキング」の小松春生編集長が、DAZN Japanの笹本裕CEOにインタビューした記事が掲載されました。前後編となっています。


DAZNにとってはクラブワールドカップが終了し、これからどうするかが問われるタイミングです。とりあえず決勝戦も大規模な障害を起こすことなく終了し、技術系のスタッフの皆さんにはお疲れさまと言いたいところ。次はコンテンツやサービスで応えていく番です。

ただ、今回の笹本CEOの回答はのらりくらりという印象でした。時には厳しい質問に対してもきちんと答える姿勢は評価できますが、これから具体的に何をやっていくかについては「楽しみに」「期待してください」といった言葉で濁しています。


先月「PIVOT」で公開されたインタビュー動画の内容と比較しても、さほど変わってないように感じました。ユーザーの不満に対する「ガス抜き」としての役割は立派に果たしていると言えそうですが、まだその先は見えてきません。

小松編集長は、以前にもU-NEXTの堤社長にインタビューした記事が公開されていますが、基本的にビジネスをよく理解している人だという印象です。理解しているからこそ、その限界も分かっているのでしょう。外資系企業ですから日本法人の権限は限定的ですし、よく槍玉にあがる価格面についても、そう簡単には変えられないことは分かっているはずです。


質問の中で「Jリーグ、欧州5大リーグ、UEFAチャンピオンズリーグ」がすべてDAZNで視聴できた時代にあえて触れたのも、そんな時代が戻ってくることはないと分かっているからでしょう。放映権料の高騰や円安は言わずもがなですが、当時のDAZNも全試合を配信していたわけではなく、各リーグから数試合ずつをピックアップする形でしたし、ちょうど「スポナビライブ」の撤退が決まり、コンテンツを引き継いだという偶然も重なっていました。


あとは広告ですね。これも世の流れは不可逆的で、他のストリーミングも続々と「広告付きプラン」を出している以上、なくなる未来はありません。笹本氏は前Twitter Japanということで、タイムラインの中に入り込む「ネイティブ広告」を例にあげていますが、これも自然に溶け込めているかというと決してそうではありません。


動画であればなおさらで、強引に割り込まざるを得ないけど、それをやると評判が落ちることとのトレードオフです。このあたりはDAZNに限らず、他のストリーミングサービスも抱える共通課題であります。

上述のPIVOTも含め、昨年~今年にかけて笹本CEOは積極的にインタビューを受けています。過去のDAZNはどちらかと言えば秘密めいた存在でした。そのイメージを消すためにも、今後もメディアに登場する機会は増えるものと思われます。


以下、インタビューを取り上げた当ブログの記事のリンクを貼ります。

  • 2024年11月: ダイヤモンド・オンライン
  • 2025年4月: Marketing Native
  • 2025年6月: 日経新聞


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